2024 年 10月 18日 (金)
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「台湾で有害物質検出」の真意 [KWレポート] 「還暦」の韓国ラーメン (4)

(c)MONEYTODAY

今年1月、台湾保健当局は農心(ノンシム)の輸出用ラーメンである「辛ラーメンブラック豆腐キムチどんぶり」から有害物質が検出されたとして、輸入を禁止した。同時期、タイ政府も同じ製品に対して流通禁止措置を取った。食品業界ではK-ラーメンが急激に成長し、主要ラーメン消費国・地域のけん制が本格化しているとの見方が出ている。

食品医薬品安全処と食品業界によると、台湾とタイの食品基準は人体に有害なエチレンオキシド(EO)と相対的に安全な2-クロロエタノール(2-CE)を合算して表記する。米国の基準に従う韓国など主要国が分離して扱っているのとは違いがある。

輸出用ラーメンに含まれたEOは基準値を下回るものの、2-CEと合算する方式が取られたため、「有害物質が検出された」と判断されたのだ。

◇検疫強化には「地元保護」の側面も

このような基準で台湾当局は最近、輸入ラーメンに対する検疫を強化している。昨年までのエチレンオキシド検出事例は、インドネシア製品が13件で最も多く、日本とベトナム、フィリピンがそれぞれ7件、韓国が3件となっている。

台湾のラーメン検疫強化は、台湾企業保護の側面が大きいようだ。

世界各地のインスタントラーメンに関わる企業や団体で作る「世界ラーメン協会」(WINA)によると、台湾のラーメン消費規模は2021年に9億個程度で世界16位だが、1人当たりの年間ラーメン消費量は38個で9位だ。

台湾では食品1位「統一企業」がラーメン市場を掌握している。だが、最近は輸入ラーメンが増え、それが脅かされている状況にある。実際、韓国ラーメンの台湾輸出額は2017年には2000万ドルだったが、昨年は3000万ドルに増加している。

(つづく)

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