2024 年 9月 8日 (日)
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「単純労働」を減らす「AIヘルパー」 [KWレポート] 韓国AIルネサンス (3)

ウェブトゥーン「イドゥナ!」の中のAIペインターで簡単に彩色を施した絵(資料提供=ネイバーウェブトゥーン)(c)news1

AI(人工知能)技術が次第に発展し、この技術が使われたウェブトゥーン、音楽、ストーリー、映像などのコンテンツがあふれている。

クリエイターも単純な業務に限りAI技術を積極的に導入している。作業工程が以前より簡単になり、完成度を高めるうえで効率性と生産性が高くなったと口をそろえる。

現時点では、AIの創作作品には拒否感がある。ただ、これが適切に活用されれば、コンテンツ産業が発展するきっかけになる――という分析もある。特にAI導入を契機に、ジャンルの多様化といった新たなチャンスが生まれるのではないか、という期待がある。

◇煩わしさを低減

AI技術の導入が活発化する代表的な分野は、ウェブトゥーンだ。

ウェブトゥーンのさまざまな作業の中でも、連続性がなく、単純作業の割合が高いイラスト、彩色などでAI技術が活用され、クリエイターの「煩わしさ」を軽減させている。

韓国のウェブトゥーンで話題となった「イドゥナ!」のミン・スンア氏は次のように語っている。

「ウェブトゥーンで表現しにくい彩色を、AI彩色ツールがわずか数秒で作業してくれた。技術が完成したら、単純労働が減るというのが何より都合が良い」

彩色は、ウェブトゥーン製作過程で相当な時間がかかる作業だ。ミン氏は実際の作品に、AIペインターを利用した挿絵を入れたことがある。

「いったん色が決まれば、そのキャラクターに同じ色だけ着色すればいい。これがウェブトゥーンの基本彩色だ。その作業を数回のクリックで終わらせることができるというのはありがたい」

ミン・スンア氏はこんな感想を語った。現在より技術が高度化されれば、積極的に使いたい、とも表明している。

「カルプリム」のコ・イルグォン氏も次のように語っている。

「フォトショッププログラムとタブレット用タッチペンで作業すると1カット当たり1時間はかかったが、AIプログラムを使うと5分で十分だ。この技術が活性化できれば、これまで白黒漫画が与える面白さに色彩が加わり、映像美をさらに生かせると期待する」

◇効率性向上

映像コンテンツ製作でもAIが続々と導入されたことによる効率性の向上が確認されている。

韓国の娯楽大手CJエンターテインメント(CJENM)のベク・ヒョンジョン新事業推進チーム長は最近、コンテンツ産業フォーラムに参加し、次のように説明している。

「AIが創作領域として多様化し、さまざまに活用されているが、データを学習してトレンドを分析したり投資決定を支援したりして、製作段階においては効率性を向上させることができる。映画、ドラマ、芸能、ショートフォーム映像の生成でも、AIが音楽を作ったり、BGMを挿入したりする時、AIが作業を手伝ってくれる」

AIが一つの道具となり、人間が単純にやっていたことを補助することによって、多様なジャンルの作品が出てくるだろう、という期待感もある。

すでにAI技術が融合したゲーム、エンターテインメント産業では、新たな市場創出が活発になっている。

「ZETA」のハジ氏は次のように意気込む。

「読者にお聞かせしたいストーリーは多いが、ウェブトゥーンで作品を創出するには本当に多くの努力と時間が必要だ。ヘルパーAIが開発され、ウェブトゥーンを描く時間を減らすことができれば、さらに面白くて、多様なストーリーをお見せすることができそうだ」

(つづく)

(c)news1

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