2024 年 10月 18日 (金)
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「医療現場で使いすぎる」 [KWレポート] 「血液が足りない」韓国の叫び (5)

(c)MONEYTODAY

韓国の血液管理の現状を評価してほしい――こんな問いかけに、大韓患者血液管理学会のキム・テヨプ会長(建国大学病院麻酔痛症医学科教授)は次のように語った。

「韓国がほぼ世界1位の領域があります。人口1000人あたりの赤血球輸血量です。韓国は、血液供給管理はとても上手だが、医療現場で血液を使いすぎている」

人口の減少に伴い輸血用血液不足が本格化する。だが血液使用量は世界最高水準だという。結局、供給管理よりも、医療現場での需要管理が「血液不足」への対応の第一歩だという。

韓国の医療現場の血液使用量が過度であるというのは事実だろうか。

疾病管理庁の集計によると、2015年に人口1000人当たりの赤血球製剤の供給量はオーストラリアと日本、カナダの場合それぞれ27ユニット(1ユニット=400cc)、26.3ユニット、21.1ユニットだったのに対し、韓国は41ユニットだった。韓国はこれら3カ国の2倍ほどの血液を使用しているわけだ。

◇各国との比較

医療現場の過度な血液使用に関する端的な例が、膝関節置換術である。韓国の膝関節置換術の輸血率は78%だが、米国と英国は8%、オーストラリアも14%にとどまる。

順天郷大学ソウル病院のイ・ジョンジェ院長は「韓国で膝の手術を受ける患者が100人なら、このうち78人が輸血を受ける一方、米国や英国は8人に過ぎないという意味だ。健康保険審査評価院が輸血適正性評価をするようになったのも膝関節置換術の過度な輸血率がきっかけだった」と述べた。

キム会長は「膝関節手術を受ける人は、その手術以外で輸血を受けることがなく、評価指標として使いやすかった。血液使用量がより多い心臓手術の場合は、細分化された診断コードと血液使用の資料がなく、比較が難しい」と述べた。

ただし、心臓手術輸血率も推定資料はある。保健福祉省血液長期政策課によると、韓国の心臓手術輸血率は76~95%と推定される。29%の米国の最大3.2倍だ。医療現場の血液使用は世界最高水準だが、手術別輸血率の詳細な集計も難しいのが、韓国での血液管理の現状なのだ。

(つづく)

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