2025 年 2月 10日 (月)
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「北朝鮮式情報システム開発」なのに…幹部が使っていたのは「違法コピーExcel」か

「世界と競争せよ」映像に米国文書作成プログラムが捉えられた=朝鮮中央テレビキャプチャー(c)news1

北朝鮮が「自力更生」をスローガンに掲げ、国外の技術や文化の流入を厳しく取り締まっているなか、昨年「最優秀IT企業」に選ばれた「プルンハヌル(青い空)」電子製品工場の職員が、違法コピーとみられる米マイクロソフト社の文書作成プログラムを使用している様子が確認された。

国営朝鮮中央テレビが1月放送した特集番組「世界と競争せよ」では、電子工業省に所属する「プルンハヌル」電子製品工場の成果が紹介された。番組では、この工場が小規模でありながらも短期間で成果を上げた管理体制に焦点を当てた。

工場の創設メンバーであるリ・チョングン課長は「最高の経営管理方式を導入するため努力した。工場の現状に合わせて独自の階級制度を10種類以上設け、すべての従業員がその階級に合ったスキルを身につけることで人材育成につながる」と説明した。

番組は「科学技術の進化スピードがますます加速する現代社会において、理想と志を高く持ち、覇権を目指さなければ衰退する」と強調したうえ「一部の国が独占している情報システムを、完全に我々のもの、すなわち『朝鮮式』に開発することに成功した」と宣伝した。

ただ、番組内で会議に参加する職員のパソコン画面には「MS Excel」が映し出されていた。朝鮮式のソフトウェアと製品を開発していると主張する企業の実務担当者が、米国製の文書作成ソフトを使用しているという矛盾が露呈した。

米政府は北朝鮮へのソフトウェア輸出を禁じており、WindowsのOSも公式には供給されていない。このため、北朝鮮が違法コピーしたExcelを使用している可能性が高いとみられる。

昨年6月には、朝鮮労働党の幹部を育成する中央幹部学校のパソコンでも、米国のソフトウェアであるWindowsとGoogle Chromeがインストールされている様子が確認されていた。党機関紙・労働新聞は、中央幹部学校の開校式を報じた写真に、Windowsがインストールされた電子図書閲覧室のパソコンが映っていた。Windowsのバージョンは、2016年にサポートが終了した「Windows 7」と推定される。

北朝鮮は2020年に「反動思想文化排撃法」を制定し、外国文化の流入を厳しく取り締まってきた。しかし、技術の発展のためには一部の外部技術を受け入れ、容認している可能性がある。

(c)news1

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