韓国国防省が北朝鮮無人機対応のためのドローン作戦司令部を7月に創設すると明らかにし、国内防衛産業企業がこれに歩調を合わせて「アンチドローン」体系構築に乗り出した。
ハンファエアロスペースやハンファシステム、LIGネクスワン、韓国航空宇宙産業(KAI)の各社はドローン関連投資を増やしている。
グローバル市場調査会社のプレシデンズリサーチによると、アンチドローン市場は2021年の14億ドルから2030年には126億ドルへと10倍近く拡大する見通しだ。
ドローンに対応する方法はドローンを機関砲、自爆ドローン、レーザーなどの武器で直接破壊する「ハードキル」(hardkill・物理的打撃)と、網捕獲、電波妨害、撹乱などで任務を妨害する「ソフトキル」(softkill・非物理的打撃)方式に分かれる。
ソフトキルはハードキルのようにドローンの破片が落ちないため、都心にも被害が出ないという長所がある。軍は昨年12月、ソウル北部、仁川(インチョン)江華島(カンファド)などの領空を侵犯した北朝鮮の無人機5機を撃墜しなかった理由として、民間人に被害をもたらす心配を挙げた。
これに対し、ハンファエアロはドローン捕獲技術を保有している企業に投資し、関連技術の確保に乗り出した。ハンファエアロは、米ロッキードマーティンと提携し、フォルテム・テクノロジーズ(Fortem Technologies)に条件付き持分買収契約方式で1780万ドルを投資した。
フォルテムテクノロジーズは、独自開発したレーダーで不法ドローンを探知し、自動運転ドローンで相手ドローンを捕獲するドローン防御システムを保有している。
ハンファエアロの子会社であるハンファシステムはドローンの違法飛行で発生し得る国家・民間主要人物、施設に対する脅威を解決するためのドローン監視用レーダー開発を2021年に開発を完了した。
ハンファシステムはドローン専用監視センサーとアンチドローンソリューションの商品化を準備している。ハンファシステムのドローン専用監視センサーは、従来の防空網で探知が不可能な低速ドローンによる直接的なテロ脅威から施設と人命を保護するためにドローン標的を探知、追跡するシステムだ。
LIGネクスワンは、北朝鮮の無人機領空進入を防ぐための「韓国型ジャマー」(K-Jammer)開発に乗り出した。ジャマーはドローンなど小型無人機にジャミング(電波妨害・撹乱)電波を発射し経路を離脱させたり墜落させる装備だ。K-ジャマーが開発されれば、軍の「電子戦攻撃(EA)作戦力量」が大きく強化される。
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