2025 年 4月 1日 (火)
ホーム社会「勉強ができる薬」と誤解も…韓国でADHD治療薬、9カ月連続の供給不足

「勉強ができる薬」と誤解も…韓国でADHD治療薬、9カ月連続の供給不足

メチルフェニデートの年別の処方患者数(c)news1

「注意欠陥・多動性障害」(ADHD)の代表的治療薬である製薬会社「韓国ヤンセン」の「コンサータ(Concerta)」が長らく品薄状態になっている。韓国内のADHD患者数が昨年初めて33万人を超え、供給が追いついていないのだ。

韓国の食品医薬品安全処によると、同社は今年度、メチルフェニデート塩酸塩を主成分とするコンサータの供給不足を3度にわたって報告しており、実質的に昨年6月以降、供給が滞っている。早ければ5月末には供給の正常化が見込まれているが、遅れる可能性もある。

ADHD患者の大多数が児童・青少年であることから、1日1回の服用で長時間の効果が期待できるコンサータは有効な薬剤として広く処方されてきた。精神科治療では、患者と保護者が薬の変更に敏感だという特性がある。薬剤の供給が止まると不安感の増大や治療離脱のリスクが高まるため、コンサータのような主要薬剤の安定供給は重要だ。

ADHDが成人層に広がっていることもコンサータの供給不足に拍車をかけている。食品医薬品安全処によると、昨年メチルフェニデートを処方された患者数は33万7595人で、2020年の14万3471人から4年で2倍以上に増加。このうち20~30代の患者数は同じ期間に3倍に増えた。

一部では、コンサータが「勉強ができる薬」として誤って認識され、不適切に使用されている懸念もある。実態を調べた食品医薬品安全処の関係者は「そうした事案は確認されていないが、供給正常化に向けて今後も継続的にモニタリングしていく」と述べた。

(c)news1

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