ソウル・梨泰院(イテウォン)の雑踏事故現場で、ある男性が「人が下敷きになって死んでいます。助けてください」と切実な声で叫ぶ映像が30日、公開された。
ユーチューブには梨泰院・ワイキキビーチパブ付近の路地で、29日夜に撮影されたと推定される映像が掲載された。それによると、押し寄せた人波で身動きが取れずにいた男性が「人が下敷きになって死んでいます。助けてください! こっちに行って! どうか助けてください!」と叫んだ。
街には音楽が大きく鳴り響いていた。だが市民らは男性の切実な叫びを聞いて、体を動かそうとするかのように一斉に腕を上げ、後ろに行けという手振りを見せた。しかし、音楽によって男性の声がかき消されたのか、一部の市民は深刻さを認知できないまま笑っていた。
この映像を掲載したユーチューブチャンネルは、叫んだ男性が市民を助けようとする警察だったと字幕を流したが、事実かどうかは確認されなかった。
崇実サイバー大学消防防災学科のパク・ジェソン教授は「こうした群集事故の場合、初期に状況を伝えるとても重要だ。目の前で事故を発見した後、後ろの人たちに事故が起きたということを知らせれば、市民は自分を保護するためにこれ以上前に押さない。これによって、徐々に圧迫を減らしていくことができる。だが現場では、大音量の音楽と叫び声が混在しているため、前方で起きた状況を後方に伝えることが非常に難しかった。これが被害を拡大したもう一つの要因になった」と説明している。
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