韓国で第4四半期の業績発表シーズンが本格的に始まり、流通業界の売上高に関心が集まっている。昨年12月の「非常戒厳」宣布の衝撃で年末特需が消え、業績にも影響したとみられるからだ。
「新世界(シンセゲ)」は5日、昨年第4四半期の総売上高が3兆1874億ウォン(約3371億円)、営業利益が1061億ウォンだったと公示した。売上高は対前年同期比2.1%増だったものの、営業利益は48.5%減だった。年間ベースでは、売上高が11兆4974億ウォンで対前年比3.3%増、営業利益は対前年比25%減の4795億ウォンにとどまった。
部門別に見ると、百貨店の第4四半期営業利益は15.8%減少し、免税店を運営する「新世界DF」は赤字に転落した。
新世界の関係者は「営業利益の減少は、昨年12月の通常賃金に関する大法院(最高裁)判決による推定負担金と、免税店の希望退職実施による退職金などが反映されたためだ。また、前年の仁川空港の賃貸料の会計処理の影響もある」と説明した。
このような業績不振の背景には、昨年末の消費心理の冷え込みが影響しているとみられている。韓国統計庁が発表した「2024年12月および年間産業活動動向」によると、昨年の消費動向を示す小売販売指数は2.2%減少した。これは2003年以来最大の減少幅であり、2022年、2023年に続き3年連続のマイナスとなった。
業績発表を控えた他の流通企業の見通しも暗い。
金融情報会社「FNガイド」によると「イーマート」の昨年第4四半期の売上高は7兆3244億ウォン、営業利益は195億ウォンと予測されている。前年同期と比較すると売上高は0.4%減少すると見られるが、営業利益は黒字になると期待されている。
しかし、昨年末と比較すると、営業利益は大幅に下方修正された。昨年末には約525億ウォンと予想されていた。
IBK投資証券のナム・ソンヒョン研究員は「国内政局の不確実性が拡大して消費が急激に鈍化し、前年よりも祝日の営業日数が1日少なかったこと、セールの時期の違い、希望退職および通常賃金に伴う一時的な費用発生などの要因で、第4四半期の業績は予想を下回る見込みだ」と分析。さらに「第3四半期までは固定費の管理によって収益性の改善が見られたが、第4四半期は予想よりも低調だった既存店の成長率をカバーできなかった」と述べた。
「ロッテショッピング」も昨年第4四半期の業績が減少する見通しだ。第4四半期の売上高は3兆5922億ウォン、営業利益は1983億ウォンと予想されており、対前年同期比でそれぞれ1.1%減、2%減となる見込みだ。
興国証券のパク・ジョンリョル研究員は「スーパーマーケットやカルチャーワークス(映画館事業)など一部事業部門の収益性は改善したものの、主力部門である百貨店とディスカウントストアの不振が響いた」と分析。「営業外損益の悪化により、税引前利益と純利益は赤字が続く見通しだ」と述べた。
一方、現代百貨店は比較的健闘するとの観測だ。昨年第4四半期の売上高は対前年同期比3.8%増の1兆1783億ウォン、営業利益は10.8%増の1063億ウォンと予想されている。ただし、年間業績の見通しでは、売上高は対前年比0.1%増の4兆2109億ウォンと予想されるが、営業利益は7%減の2822億ウォンにとどまる見込みだ。
要因としては、免税店の赤字縮小と、子会社であるジヌス(Zinus)の業績改善が挙げられる。
パク研究員は「百貨店部門は消費経済の低迷と消費心理の悪化により、総売上高と営業利益がともに対前年同期比で減少すると予測される」としつつ「ジヌスの場合、アマゾンやウォルマートからの発注が正常化しつつあり、黒字幅が拡大する見込みだ」と述べた。
ロッテショッピングは6日、現代百貨店は11日に昨年第4四半期の業績を発表する。
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