2025 年 7月 13日 (日)
ホーム社会「共用エアコンが使えない」「扉は開けられない」…韓国“灼熱”の簡易住宅で耐える女性たちの現実

「共用エアコンが使えない」「扉は開けられない」…韓国“灼熱”の簡易住宅で耐える女性たちの現実

(c)news1

ソウルの簡易住宅で暮らす女性たちが連日の猛暑にもかかわらず部屋の扉を閉めたまま生活している。共用のエアコンは廊下に設置されているため、扉を開ければ少しは涼しくなるが、防犯上の不安から扉を開けられないのだ。

最高気温が32度に達した2日の永登浦(ヨンドゥンポ)駅周辺の簡易住宅。44歳の女性は扉越しに顔をのぞかせ「男女共用の避暑施設は利用しづらい」と打ち明けた。

彼女が住む建物の廊下では市が設置した共用エアコンが冷気を送っていた。だが女性は「男性もいる建物なので扉を開けるのはためらわれる」と語った。

87歳の女性住人も避暑施設の利用を控えていると話す。「女性は行きづらい。行っても男性ばかり。自分の部屋で扇風機をつけて過ごす」と説明した。

永登浦の簡易住宅街はもともと赤線地帯で、ソウルの中でも特に環境が劣悪だとされる。築50年以上の建物が大半で、断熱材もなく、屋外の熱気がそのまま部屋に伝わる。

市は2022年から共用エアコンの設置と電気代の補助をしている。しかし、共用エアコンは廊下に設置されているため、防犯上の懸念から女性は事実上恩恵にあずかれない。

個別エアコンの設置補助を受けた女性は5人だけ。支援制度の存在を知らない人もいる。40歳の女性は「そんな制度があるとは知らなかった。知っていれば申請した」と話した。

ソウル市は毎年、共用エアコンの需要調査をしており、女性には相談所職員が個別訪問や電話で申請意思を確認している。市関係者は「安全性を確認し、予算と実効性を踏まえたうえで積極的に支援を検討する」と述べた。

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