
韓国・大田市(テジョンシ)でボイスフィッシング詐欺グループに洗脳されていた女性が、警察の粘り強い説得で被害を免れた。警察庁が12日、公式YouTubeチャンネルに「彼女が一人でモーテルに入って出てこない」というタイトルの映像を公開し、警鐘を鳴らした。
最近、大田東部警察署の地区隊に「交際中の女性が昨日、金融監督院から電話を受けたと言ってモーテルに入ったまま出てこない」との通報が寄せられた。出動した警察官が女性と対面。「ボイスフィッシングの被害が疑われる」と説明したが、女性は「違う」「そんなことはない」と否定した。
女性はスマートフォンを手放そうとせず、警察官が「携帯を少し置いてもらえますか? 誰と通話しているのか」と尋ねると、「知り合い」と答えた。「警察官を名乗る詐欺師と話しているようだ」として、携帯を見せるよう求めても女性は拒否した。
警察官は制服を着用した正規の警察官であることを何度も強調し、「私たちを信用できないのに電話越しの人物は信じるのか」などと説得し、女性のスマートフォンの確認に成功。3つの悪性アプリがインストールされており、「偽検事」と長時間通話していたことが分かった。
警察は、彼女が受け取った「検察の書類」が偽物であることも確認。女性は既に新しい携帯電話まで契約しており、被害に遭う寸前だった。結局、説得に約40分を要した。
ネット上では「顔も見えない電話の“自称検事”は信じるのに目の前の警察官は信じないとは……」「洗脳は本当に恐ろしい」といった反応が寄せられている。
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