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韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領に関するドキュメンタリー映画「がんばれ大韓民国」が公開され、支持者の間で大きな関心を集めている。
映画館入場券統合電算網によると、この映画は2月27日に全国73の劇場で公開された。これは、大統領の弾劾審判の最終弁論が終わってからわずか2日後のことだった。
この映画の予約率は26日午後、人気歌手「IU」のコンサート映像作品「IU Concert: The Winning」を一時的に超えた。特にソウル市城東区のある映画館では、インターネット上の予約がほぼ満席となっていた。
上映時間が平日の昼間であったにもかかわらず、観客の年齢層は幅広く、子どもから高齢者まで多様な層が劇場を訪れた。特に、20~30代の男性観客の姿も目立った。
30代の男性観客は「大統領支持者として友人2人と一緒に観に来た」「愛国者として応援する気持ちで来た」と語った。また、26歳の大学生は「大統領に関する映画が公開されると聞いて興味があった」「非常戒厳令は厳しい措置だと思うが、避けられなかったのなら仕方がないのでは」と話した。
映画が始まると、観客はスクリーンに集中し、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件(2010年)に関する映像が流れると劇場のあちこちからすすり泣く声が聞こえたという。
映画の終盤には、特定の人物が登場するとスクリーンに向かって指を立てる観客もいた。また、非常戒厳令以降に職を辞した人物が紹介されると、ため息をつく観客の姿も見られた。
上映が終了すると、場内には拍手が響き渡った。夫婦で映画を見に来た70代の女性は「光化門での弾劾反対集会にも参加していた」「ユン大統領が登場する場面で涙が出た」と話し、80代の男性は「この映画は、社会を啓蒙する内容だった」と語った。
専門家の間では、この映画が保守層の結集を目的として制作された可能性が高いとの見方が強い。また、弾劾問題が依然として政治的争点となっている中で、このような映画が公開されたことに懸念を示す声もある。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「ドキュメンタリー映画には制作側の意図が反映されるため、その内容をそのまま受け入れるのは危険だ」「制作側の視点を客観的に見ることが重要だ」と指摘した。
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