2025 年 1月 19日 (日)
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「使い捨て容器?スプーン?受け取りません」…韓国フードデリバリーが手掛ける「善良な消費」

配達アプリの「リユース容器」返却方法=itgreen(c)MONEYTODAY

「使い捨て容器の代名詞」とも言われてきた韓国のフードデリバリーサービスが変化している。一度使用した後に回収する「リユース容器」のデリバリーオプションが増え、使い捨てナイフやスプーンなどを受け取らない消費者も増加している。このような流れは「善良な消費」を望む消費者のニーズに応えるべく、各デリバリーアプリ企業がシステムを整備した結果だ。

デリバリー業界によると「リユース容器」を選択する注文が毎年増加している。特に「ヨギヨ」は、リユース容器を積極的に推奨しており、2024年のリユース容器の注文数は前年に比べ22%増加。また、このサービスを提供する加盟店も53.6%増えたという。ヨギヨは、リユース容器を食品ジャンルのような一つのカテゴリーとしてアプリのメイン画面に表示している。

一方「配達の民族」や「クーパンイーツ」でも一部の加盟店がリユース容器をオプションとして提供。さらに、デリバリーアプリ各社は「使い捨てスプーンやフォークを受け取らない」を基本設定として採用している。ベミンは2019年からこのオプションを導入し、約63億個の使い捨て用品を削減したとされる。

過去にも使い捨て用品削減の試みはあったが、コロナ禍で急増したデリバリー需要と衛生面の問題により進展は難しかった。しかし、近年のリユース容器の利用増加は「善良な消費」への関心の高まりに加え、ソウル市など自治体の支援政策、さらに専門回収業者の登場が後押ししたとされる。

かつての回収方式では、専属の配達員が食事後に訪れて容器を回収していたが、現在はリユース容器に付属するQRコードを通じて消費者が自ら返却を申し込み、提携する配送業者が回収する仕組みが採用されている。この方式は手軽で、多くの利用者から好評を得ている。

一方で、ソウル以外の地域ではリユース容器サービスが利用できないという課題も残る。また、いくつかの飲食店経営者からは、リユース容器の回収業者がベミンのようなプラットフォーム企業へと成長し、価格交渉で優位に立つ可能性を懸念する声もある。

しかし、業界関係者は「リユース容器はあくまでオプションであり、飲食業者が従属的な関係になる可能性は低い」と指摘。むしろ、環境に配慮した消費を望む顧客ニーズに応えるためのマーケティング手段として活用される可能性が高いと見ている。

(c)MONEYTODAY

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