
韓国のガールズグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」が独自に新たなグループ名「NJZ(エヌジェイジー)」を掲げて活動を進めるなか、韓国の主要音楽関連5団体は「所属事務所との約束を守ってほしい」との声明を発表した。NewJeansと所属事務所アドア(ADOR)間の専属契約紛争は法廷の判断に委ねられており、その結果によって両者の動きが大きく左右されそうだ。
NewJeansは今月23日に新曲発表を控えており、21日から3日間にわたり香港アジアワールドエキスポで開催される「コンプレックスコン(ComplexCon)」で「NJZ」としてデビューする。新たなグループ名を冠した初の活動となり、CNNや朝日テレビなど海外メディアも大きく取り上げている。
昨年11月、メンバーらは緊急記者会見を開き「ADORとの専属契約はすでに終了している」と主張し、「NewJeansという名前は絶対に手放さない」との強い意志を示した。しかし、NewJeansの商標権はADOR側にあるため、メンバーたちは公募を通じて「NJZ」という新たな活動名を発表し、SNSアカウントも新設した。すでに「NJZ」としての商標出願も進められており、現在審査待ちの状態だ。
一方、ADORは専属契約が2029年7月31日まで有効であると反論。1月にはNewJeansの5人のメンバーに対し、企画社としての地位保全と広告契約禁止などを求める仮処分を申し立て、さらに2月にはすべての音楽活動やその他の副次的活動を禁止するよう追加で法廷に要請した。
ADORは「NJZ」ではなく契約上のチーム名「NewJeans」として活動すべきだと強調し、「ADORと共に契約を守りながら活動を続けようという趣旨」だと説明している。
韓国マネジメント連合、韓国芸能製作者協会、韓国音楽レーベル産業協会、韓国音盤産業協会、韓国音楽コンテンツ協会の5団体は、先月27日に共同記者会見を開き、「大衆音楽産業の基盤は芸能事務所と歌手の間で結ばれる専属契約だ」として、契約順守の重要性を強調した。
さらに「歌手に“契約を破棄してもよい”と促す他社や、契約解除を肯定する一部ファンダムによって、芸能事務所の役割と地位が揺らいでいる」と危機感を表明した。
これに対し、NewJeansのファンダム「チーム・バーニーズ」は「5団体はK-POP産業全体ではなく芸能事務所側の立場だけを代弁している。ADORとHYBEこそが契約に違反し、悪意のある世論を形成している」と反論した。
仮処分についての審理では、ADOR側は「活動差し止め」を、NewJeans側は「活動継続」を、それぞれ求めた。仮処分が棄却されればNewJeansは予定通り活動を続けられるが、認められた場合は本訴訟の判決まで独自活動が制限される。初公演が迫っていることから、今週中に仮処分結果が出る可能性が高いとみられている。
専属契約の有効性を巡る本訴訟の第1回弁論期日は来月3日に設定されており、法廷闘争の行方によってNewJeansとADOR間の関係に重大な変化が生じる可能性がある。
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