2025 年 7月 26日 (土)
ホーム経済流通「今日頼めば今日届く」…韓国の食品企業、自社モールでスピード勝負

「今日頼めば今日届く」…韓国の食品企業、自社モールでスピード勝負

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韓国の食品業界が、自社のオンラインモール(自社モール)を通じた迅速配送サービスに本格的に乗り出している。即日・翌日配送に加えて週末や祝日も対応可能な体制を構築し、配送タイミングが品質に直結する生鮮食品を中心に顧客満足度とロイヤルティの向上を狙う戦略だ。

食品大手OURHOMEは17日から自社モール「OURHOMEモール」で韓国大手EC企業「11番街」の「シューティング配送」サービスを活用し、ソウル・京畿道の一部地域で「今日到着・明日到着」配送を始めた。センターに在庫がある場合は午前中の注文で当日中に配送され、全国の大部分の地域には翌日配送が可能となる。通常配送はCJ大韓通運が担当する。

さらに、これまで週5日の配送だったものを週7日に拡大し、週末・祝日の配送にも対応するようにした点が注目される。顧客の利便性を高め、自社モールの利用者を囲い込む意図がある。

CJ第一製糖も、4月から自社モール「CJザ・マーケット」で「すぐ配送」サービスの試験運用を開始。午前10時から午後10時までの間に注文された商品を2時間以内に配送する仕組みで、現在は京畿道河南市やソウル市江東区・松坡区などでテスト中だ。消費者の反応や物流効率を見極めた上で正式導入を検討している。

大象グループも、精肉専門ブランド「ミートプロジェクト」で早朝・週末配送サービスを導入。2025年5月からは子会社のヘソンプロビジョンのコールドチェーン設備を活用し、B2C物流の強化を進めている。

背景にあるのは、大手プラットフォームへの依存度を下げ、高い手数料や価格競争から脱却しようとする業界の構造改革だ。クーパン(COUPANG)やマーケットカーリー(Market Kurly)といった韓国の有力ECプラットフォームは、商品露出や集客力の点では有利だが、出店業者にとっては高い手数料負担や価格比較による利益率の低下が避けられない。

こうした事情から、食品業界ではブランド体験を自ら設計できる自社モールを強化する方向へと転換が進んでいる。

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