2024 年 5月 21日 (火)
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「今、私たちの学校は…」 イ・ジェギュ監督インタビュー (下)

シーズン2はゾンビの生存に関する話に

「今、私たちの学校は…」のスチールショット(ネットフリックス)©news1

米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)シリーズ「今、私たちの学校は…」は校内暴力、弱肉強食の社会、社会システムの無機能ぶりなどを取り上げている。そして、セウォル号事故を喚起したり、軍事政権の暗い過去を描き出したりもする。

ドラマと原作ではっきり異なる点は、ゾンビウイルスの根源を直接扱っているところだ。原作はゾンビウイルスの起源についてまったく触れていないが、ドラマは校内暴力がゾンビウイルスを誕生させたと、はっきりと語っている。

ただ、この作品は韓国社会の暴力性を過度に単純化したり、誇張して描いたりしている点はもちろん、そのために女性を道具化したという批判も受けている。加えて、韓国社会が経験した歴史的事件の痛みを、表面的にしかとらえていないという指摘もある。

イ監督はまず、セウォル号事故などが思い浮かぶような設定については「特定の事件をモチーフにしていない」と一線を引いた。そのうえで「一部の表現が視聴者を不快にさせたのなら、申し訳ない」と話した。ただ監督は“このドラマが社会の暴力を誇張して見せている”という点には同意しなかった。

「刺激的な描写で、より多くの視聴者を引きつけようとしたのではありません。この作品が描く暴力性あるいは悲劇は、今の韓国社会でも実際に起こっていることです。重要なのは、こんな悲劇の中でも自分の責任を果たそうとする人々がいるということです。その行動が、結果的に失敗しようが、成功しようが、です」

「今、私たちの学校は…」で最も好評を博した部分は、やはり校内で学生たちがゾンビを相手に繰り広げるアクションシーンだ。死ぬかもしれない悲劇と向き合っているにもかかわらず、たびたび表われる“学生たちの無邪気さ”を描いた演出も視聴者の支持を受けている。イ監督は現実感を高めるため、一般視聴者に知られていない若い新人俳優を大勢起用した。そして彼らに、実際の高校生が使いそうな単語でセリフを言わせた。

「最大限、それぞれのキャラクターに近い顔を探そうとしました。その中でも最も若い俳優を選びましました。キャスティングされた俳優たちも、お互いにピッタリの役を引き受けた、と言い合うほどでした」

「俳優たちが高校を卒業して間もないので、リハーサルをしながら“彼らが高校生だったら、見せたであろう実際の反応”を劇中に入れたりもしました。セリフに関しては、周囲の10代の子供たちはもちろん、私の子供たちにも聞いてドラマに反映させました」

イ監督は「2度目のシーズンを作ることを望む」と話した。

作品には続編を念頭に置いた設定が一部ある。シーズン2がどんな内容になるか……という質問には「シーズン1が人間の生存に関する話なら、シーズン2はゾンビの生存に関する話になるでしょう」と答えた。

「劇中には3つのタイプの人間がいます。ゾンビにかまれてすぐにゾンビになるタイプ、ゾンビにかまれてゾンビになったものの脳は支配されず、見た目はかまれていない人と変わらないタイプ、そして免疫者がいます。この三つの集団の人間がどう共存するのか、そういう話になるでしょう」

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