2025 年 10月 2日 (木)
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「人間の手」に迫る…韓国発・精密作業ロボットの進化が止まらない

9月30日に開かれたAIフェスタで精密なロボットシステムの原理について説明するGIST AI融合学科博士課程の学生(c)KOREA WAVE

ロボットと人工知能(AI)は日々目覚ましく進化している。機械的なロボットにAI技術が融合され、エージェントAI的段階を超えてフィジカルAIが目前に迫っている。人間と共存するヒューマノイドロボットの世界も、まもなく映画の中だけの話ではなく、現実のものになりそうだ。

韓国メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ヒボム記者の取材によると、光州科学技術院(GIST)AI融合学科(指導教授=イ・ギュビン氏)は、10月2日までCOEX 1階で開催される科学技術情報通信省主催の「AIフェスタ」で、先端ロボット技術とAI技術を披露し、来場者の注目を集めた。

最先端技術というわけではないが、ちょっとした関心を引くには十分である。以下にその内容を紹介する。

◇携帯型データ収集システム

携帯型データ収集システムは、人の手で直接データを収集するハンドヘルド型のグリッパーだ。このグリッパーは、一般的に使用されるカメラによる画像データに加え、力のデータも収集することで、より精密な操作が可能になるよう設計されている。

ギアの組み立てやLANケーブルの接続、バッテリーの分解、コネクタの組み立てなど、6つの精密な機能を、人の手のように操作することができる。ロボットの指先の接触面を広げることで、ミスを大幅に減らしている。

博士課程のイ・ゴンヒョプ氏は「公差0.5mm以下の作業も可能だ。産業資源省のアルキミスト事業の支援を受けて開発中だ」と説明した。

◇Quber

Quber(キューバー)は、エラー推定に基づいたインスタンス(物体)分割の改善手法を提案したモデルだ。データセット構築の過程では必ずアノテーション(精製)過程が必要となるが、この過程で物体を認識させる作業は容易ではない。特に物体の境界分類が難しい。この問題を研究チームが解決した。

博士課程のイ・サンボム氏は「4辺の境界エラーを修正するモデルと考えればよい。従来モデルは境界部分だけを精製するか、処理速度が遅いという短所があったが、『Quber』はエラーを検出した後すぐにマスク出力を行うため、速度が速い」と述べた。

物体分割の汎用モデルであるHQ-SAMや、未学習の物体を認識するRICEモデルと比べて、精度は83.3で約5%向上し、分割速度は約20倍改善された。

また、最近開催された国際ロボット学会ICRA(アイクラ)でも論文を発表した。

◇AI自己診断・データの不確実性認識技術

AI自己診断およびデータの不確実性認識技術は、推論結果の不確実性を診断するAI技術である。モデルが自ら推論し、不確実な推論を見つけ出して管理者に意思決定を委ねる。

これは、モデルが生成したセグメンテーション(分割)マスクを対象に、予測信頼スコアに基づいて基準値未満のマスクを選別し、それが正しいかどうかを管理者が判断する方式だ。

博士課程のホ・ユンジェ氏は「不確実性を解消したデータを再びデータセットとして活用し、AIに学習させる過程を継続している。これによりAIの性能を段階的に向上させる。この技術は開発から4年目に入る。商用化についての具体的な計画はまだないが、技術成熟度(TRL)が一定水準に達すれば、指導教授と相談のうえ可能になるだろう」と話した。

◇3Dフローディフュージョンポリシー

3Dフローディフュージョンポリシーは、研究チームが提案したアクション出力ポリシー学習技術。3Dフロー(動き)を予測し、その予測結果を基にロボットの行動ポリシーモデルを学習させる技術だ。

例えば、ロボットが金槌で釘を打つとき、従来の技術では釘がどう打ち込まれるかを予測できなかった。しかしこの技術は、釘が打ち込まれる状況を予測し、それに応じた動作が可能となる。

ロボットの行動によって場面がどう変化するかを予測し、それに基づいたアクションを出力するのが特徴だ。

博士課程のノ・サンジュン氏は「より複雑な環境で多様なロボット作業が可能になったことを意味する。エージェントAIやヒューマノイドに向かうほど、より有用な分野だ」と説明した。

(c)KOREA WAVE

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