韓国で結婚観が明確に変化している。結婚してもすぐに婚姻届を提出しないカップルが増加しており、統計によると、昨年は5組の夫婦のうち1組が結婚後1年以上婚姻届を出さなかったという。
たとえば、結婚10年目のある自営業女性(40代)は、いまだに婚姻届を提出していない。子どもがいないことや、配偶者に対する確信が持てないことがその理由だという。「もし離婚することになれば、財産分与などの手続きが複雑になるため、婚姻届を出さないままの生活も悪くない」と語る。
同様に、結婚5年目の男性(40代)も婚姻届を出していない。「人生100年時代で、これから50年も生きることを考えると、婚姻届は慎重に考えたい」とし、経済的なメリットがない限り婚姻届を急いで出す必要はないと考えている。
こうした傾向は統計にも表れている。昨年、結婚後1年以内に婚姻届を出したカップルの割合は82.23%で、2014年の89.11%から減少した。一方で、2年以上婚姻届を出さない割合は8.15%で、2021年以降に急増している。
さらに、昨年の出生児23万人のうち、婚外子は1万9000人で全体の4.7%を占め、過去最大となった。この背景には、婚姻届が行政手続きに過ぎないと考えるカップルが増えていることがある。経済的なメリットがあれば婚姻届を出すが、そうでない場合は出さなくても問題ないと考える人が多い。
政府も制度改善に取り組んでいる。婚姻届による「ペナルティ」をなくすため、夫婦合算収入基準を引き上げるなどの施策を発表した。これにより、婚姻届を出す際の経済的デメリットを軽減する狙いがある。
専門家は、婚姻届を出さない理由には経済的な要因が大きいとしながらも、「離婚率が高い現状では、夫婦が互いに確信を持てるまで婚姻届を遅らせることが、新しい時代の結婚風習となり得る」と指摘している。
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