
韓国で自然妊娠による五つ子誕生が注目され、政府は未熟児支援の“オーダーメイド対策”を打ち出したものの、予算確保が進まず実行に至っていない。最も基本的な政策ガイドブックも、10億ウォン(約1億円)の不足により研究発注すらされず、親たちはその存在を知らない。
未熟児とは妊娠37週未満または体重2.5kg未満で生まれた子どもを指す。2023年には全出生の約12.2%に当たる2万8000人が該当し、多くが新生児集中治療室に平均70日超入院。退院後も継続的な医療支援が必要で、親たちは仕事・治療・育児の三重苦を抱える。
これを受け政府は2023年末、出産から育児までの包括支援策を発表。しかし80億ウォン(約8億円)を超える予算が不足し、2025年初の補正予算にも未計上。医療費上限引き上げや専門看護師による支援、母子搬送体制構築など計6事業が停滞している。
特に、親から要望の強かったガイドブックは予算ゼロで、制作計画も頓挫している。保護者は情報をインターネットや口コミに頼っており、支援策そのものを知らない家庭も多い。保健福祉省も周知不足を認めている。
専門家は「未熟児の発達には退院後のフォローが不可欠だ。少子化に直面する今こそ、子どもへの投資を削るべきではない」と訴える。
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