2025 年 6月 23日 (月)
ホーム社会「乳がんです」誤診で乳房一部切除…韓国「検体取り違え」病理機関“あってはならない”ミス

「乳がんです」誤診で乳房一部切除…韓国「検体取り違え」病理機関“あってはならない”ミス

(c)news1

健康診断で乳がんと診断された韓国の30代女性が、実際にはがんではなかったにもかかわらず、胸の一部を切除する手術を受けていたことが明らかになった。原因は、検体検査を担当した委託病理機関が別人の検体と取り違えたことによる「誤診」だった。

被害者の女性は2023年9月、夫の勤務先の福利厚生を通じて世宗市のある医療機関で健康診断を受けた際、「乳がんの疑いあり」との診断を受けた。

女性は「信じがたかったが、医師からは『がんだ』と言われた。若くて健康なほど転移も早いと言われ、その場で泣いてしまった」と当時の心境を語った。

心配になった女性はソウルの総合病院で再検査を受けたが、今回は「がんではない」との結果。しかし診断を確定するため、最終的には全身麻酔のもと、左胸の6cmほどを切除する手術を受けた。

「極めて初期のがんで検出されなかった可能性も考えた。はっきりさせるためには手術しかなかった」と女性は振り返る。

だが、切除した組織を調べた結果、がん細胞は一切見つからず、良性の「乳腺線維腺腫」だったことが判明。最初にがんと診断した病院を再び訪ねたところ、驚くべき事実が明らかとなった。

病理機関では、女性と1日前に検査を受けた別の女性の検体が入れ替わっていたという。すなわち、がんではない女性が誤って「乳がん」と診断され、実際にがんだった別の女性は「異常なし」とされ、3カ月も治療の機会を逸していたのだ。

当該病院の院長は「ラベリング作業のミスで、検体の持ち主が入れ替わってしまった」と説明。病理機関も「明らかな当方の人為的ミス。患者と家族に深くお詫びする」と非を認めた。

しかし、女性は誤診によって手術痕を残し、妊娠計画も断念せざるを得ないなど精神的にも大きなショックを受け、現在は精神科の治療を受けているという。女性は検診機関および病理検査機関を相手取り、法的措置を取る方針という。

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