
韓国の統一地方選挙で発生した「投票用紙不足事態」を巡り、ソウル市松坡区の蚕室開票所周辺で再選挙を求める抗議集会が5日目に入るなか、現場で警備に当たる警察官を標的にした身元の特定や、根拠のない陰謀論がインターネット上で急速に拡散している。一部の参加者が警察官に対し「中国の公安(警察)ではないのか」などと言い掛かりをつけ、顔写真や実名をさらす事態に発展しており、警察当局は「すべて事実無根だ」として厳重な法的対応に乗り出す方針を示した。
複数のオンラインコミュニティーやSNSでは、現場の警察官の映像とともに「偽装警察」「テム(中国系ECサイト)警察」などと揶揄する投稿が相次いでいる。防寒や個人情報保護のために覆面やネックウォーマーを着用していた警察官を「身分を隠している」と主張したり、珍しい氏名や単独行動を理由に「中国人が紛れ込んでいる」と決めつけたりする悪質なケースが目立つ。また、オリンピック公園の開票所前では、中国語で生中継をしていた外国メディアの記者が市民から詰め寄られる一幕もあった。
特に標的となったのは、現場の警備指揮に当たっていたソウル警察庁第2機動団の警察幹部だ。この幹部の写真や映像が「偽警察」として拡散されたことを受け、幹部の妻が7日、SNSで被害を訴えた。妻はnews1の取材に対し、「夫があらゆる動画でさらし者にされ、攻撃の矛先が家族にまで向いている。当時、一部の参加者が夫を追い回して公務員証の提示を求めた。夫は足の手術を終えたばかりで、衝突を避けるためその場に座り込むしかなかった」と証言した。なお、この幹部は5月に他地域の警察庁から転入したばかりで、公務員証の再発給手続き中だったという。妻は最初に動画を流布した人物らを含む約100人を相手に、名誉毀損などで告訴する準備を進めている。
警察関係者は、ネット上で「孤立している」とされた幹部について、「深夜に勤務場所を巡回していただけで、興奮した市民との摩擦を避けるため同僚らが合流して状況を整理した」と説明。また、ネックウォーマーなどの着用についても「機動隊だけでなく地域警察や刑事でも認められており、いずれも名札を着用して透明性を確保している」と釈明した。
警察庁は「外国警察や偽警察といった疑惑はすべて事実ではなく、現場で職務を遂行している大韓民国の警察官であることを確認した」と発表。根拠のない虚偽事実の流布は正当な法執行を妨げ、14万人の警察官の士気を著しく低下させるとして自制を求めるとともに、身元が特定された職員の保護策を検討している。
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