
韓国大統領選挙を前に世論を操作した疑惑が浮上している保守系歴史教育団体「リ・パク・スクール(Rhee Park school)」の事務所から、大量の「不正選挙」を主張する広報物や、国家保安法廃止に反対する活動の痕跡が見つかり、警察の捜査が加速している。
ソウル市鍾路区にあるリ・パク・スクールの事務所からは「不正選挙」を主張するハガキ型の宣伝物が複数枚発見された。そこには「中国人が開票?」「瑞草乙の有権者が盆唐乙に?」「開票機に通信機能?」「破られた封印シール」などの文言が印刷されていた。
この事務所は6月4日に警察の家宅捜索を受けた後、すぐに撤去された。押収された資料の内容から、リ・パク・スクールが不正選挙の主張に加えて、国家保安法廃止反対運動にも動員されていた疑いが浮上している。
事務所には、国家保安法の廃止に反対するための国会請願に向けた「国会ホームページ会員登録をお手伝いします」というポスターも掲示されていた。リ・パク・スクールが単なる世論操作にとどまらず、組織的に立法請願活動にも関与していた可能性があるとみられる。
国家保安法の廃止請願は、2021年に当時のムン・ジェイン(文在寅)政権下で与党「共に民主党」が法改正案を提出した際、これに反対する形で進められた。請願は28日間で10万人の賛同を得て成立している。
また、リ・パク・スクールの事務所からは、パク・クネ(朴槿恵)元大統領の写真を合成した絵葉書も見つかった。そこには「不法弾劾・不法監禁 朴槿恵大統領を釈放せよ」と書かれた横断幕を持つ集会の様子が印刷されていた。
リ・パク・スクールは「イ・スンマン(李承晩)、パク・チョンヒ(朴正煕)スクール」の略語で、「自由手指軍(コメントで国を救う軍隊)」という名のオンラインコメント操作チームを運営していたという疑惑が持たれている。
具体的には、インターネットポータルサイトのアカウントを配布し、特定政党の関係者に対する誹謗中傷コメントを組織的に投稿。さらに「共感数」を不正に操作して、該当コメントが上位に表示されるよう誘導していたとされる。こうした活動は少なくとも2022年11月に始められていたと見られる。
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