2024 年 12月 22日 (日)
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「一緒にやろう」友のささやき [KWレポート] 麻薬に酔う韓国の10代 (1)

(c)news1

韓国人女性のAさんは、高校生の時に出会った彼氏から初めて麻薬のことを知らされた。その彼氏とは別れても、「Aが麻薬を使っている」という話を聞きつけた別の男が接近してきた。そして、麻薬を勧めた。Aさんがやっとのことで薬をやめる決心した後も、SNSでは既に個人情報が拡散していて、「一緒に麻薬をしよう」という連絡が絶えなかった。

先月、麻薬使用の罪で在宅起訴された元カレから「麻薬を買ってあげる。一緒にやろう」という携帯メールが入った。

Aさんの事件を受け持った法務法人LKBのソン・ジュヒョン弁護士は次のように打ち明ける。

「広く知られていないだけで、10代の麻薬犯罪は成人に劣らないレベルになっている。Aさんの例のように、多くの麻薬経験者が知人による誘惑を受け続け、これを振り払うことができず、再犯につながっている」

韓国で10代による麻薬犯罪が深刻化している。今年3月、14歳の中学生がSNSでヒロポンを購入して使用し、意識を失ったまま発見された。最近はソウル・江南(カンナム)の予備校街で中・高校生に「集中力が高まる」として麻薬飲料を飲ませた後、保護者に電話して「子どもの麻薬使用を通報する」と脅迫するという事件が起きている。

安全だと思っていた場所で、もはや子どもたちが麻薬から無事ではなくなった。

◇食べ物を配達するかのように……

10代が麻薬に手を出した瞬間、自力で抜け出すのは事実上、不可能だ。互いに顔を合わせることなくSNSを通じて暗号資産(仮想通貨)を渡し、約束の場所で受け取る手法で、まるでデリバリーのように麻薬を簡単に入手できる。こうして手に入れた麻薬は、コインカラオケやフランチャイズカフェ、トイレなど、10代がよく集まる空間で群れをなして使用される。

特に10代女性は性的な目的を持つ男性のターゲットになる。

非対面取引の代わりに周辺の知人を通じて麻薬が供給される場合、関係を断ち切ることはさらに難しい。

麻薬の誘惑に弱くなったことを知る周辺者は、より秘密裏に、大胆に使用を提案する。Aさんの例がそうだ。目の前に注射器を取り出して「本当にやらない? じゃあ1人でやるよ」と言って、それまで積み上げてきた「断薬」の意思を無力化させる。連絡を遮断して携帯電話番号を変えても、結局、知人をたどって再び接近してくる。

これが繰り返されるのだ。

麻薬事件として摘発されたからといって終わるわけでもない。流通させる側はかたくなに麻薬の提供を続ける。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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