
韓国で「一人出版社」という働き方が注目を集めている。個人が出版社を立ち上げ、企画・編集・デザイン・営業・販売まで担うという新しい業務スタイルだ。
SNSを駆使し、独自の世界観と柔軟なアイデアで読者に向き合う――「一人出版社」のつくり手は、こうした方向性のもと、「誰かにとって本当に必要な本」を丁寧に形にすることを心掛けている。
その1人、キム・ヒョンギョン氏は出版レーベル「warm gray and blue(ウォームグレーアンドブルー)」を掲げる。キム・ヒョンギョン氏はデザイナー・作家であり、出版も手掛ける。「小さな声のためのコンテンツを作る」を指針とし、多様な声を発見して、それをエッセイやアートブックを含むさまざまな形で読者に届ける。
また、出版社「時節」を営むオ・ジョンギル氏は、その社名通り、「私たちの時代(時節)」を記録することをテーマに活動を展開する。「差別のない物語」を文学で表現することを目指している。
もう1人、独創的な視点で新たな作家を発掘し、韓国文学の多様性を広げるキム・ギュヨル氏は、レーベル「キョル(筋目)」を展開する。「キョル」 は「世界と調和する私たちの筋目(すじめ)」を目指すという意味。「美しく独創的な物語を届ける」ことをモットーにしている。
この3人が近く来日し、「一人出版社」のだいご味を語るイベントが6月27日、東京都千代田区神田神保町1の韓国書籍専門書店「チェッコリ」で開かれる。日本語通訳付きで、店内・オンラインのどちらでもご参加できる。詳細は「チェッコリ」(03-5244-5425、電子メールinfo@chekccori.tokyo)まで。
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