
高級腕時計への異常な執着が原因で婚約を解消された男性が、新婚用に契約した住居から3カ月以上も出ていかず、居座り続けている――そんな悩みを抱える30代女性のエピソードが波紋を広げている。
韓国メディアJTBC「事件班長」によると、30代の女性は2年間交際した恋人と結婚を決意。準備を進めるなかで問題が起きたのは「婚約記念品」をめぐる会話からだった。男性は「兄嫁は兄にロレックスを贈った。僕も同じように欲しい」と言い出したのだ。
男性が希望した時計は約2000万ウォン(約220万円)。しかし女性は新婚用の住宅ローンを背負っていたため、価格を抑えた別のブランド時計を購入した。
住宅は二人が共同で貯めた資金と女性の単独ローンで契約した。男性はフリーランスで信用が足りず、ローンが組めなかったため、名義は共同で設定されたという。
「婚礼家具は俺が準備する」と豪語した男性は女性を電化製品店に連れていったが、価格を見て尻込み。結局、最大割引の展示品と中古家具を購入した。女性は「倹約家だ」と好意的に解釈していたが、男性は残った資金を「両親に旅行をプレゼントしたい」と言い出し、すでに親にも伝えていたため女性は反対できなかった。
そして結婚式当日――。男性はタキシード姿で「時計だけが心残り」と不満を口にした。女性が「これも十分高い時計」と反論すると、「君は時計に詳しくないから」と拗ねる様子を見せた。
さらに、空港の免税店でも再び時計売り場へと誘い、「この人生はもうダメだ。偽物でも買って“もらった”って言うしかない」とぼやくなど、執着は止まらなかった。
女性は我慢の限界を超え、帰国後すぐに別れを切り出した。共同名義の住宅については「金銭の整理を早くしよう」と提案したが、男性は「そんなことで何を……」と真剣に取り合わなかった。
女性の父親が話し合いに同席し、「そこまで価値観が合わないなら、籍を入れる前に別れた方がいい」と諭したことで、ようやく男性も破談に同意。しかし「仕事が忙しくてすぐには引っ越せない」と言い出し、女性が実家に戻る形でいったん話は収まった。
だが、それから2カ月以上が過ぎても男性は「体調が悪い」「忙しい」などと理由をつけて引っ越さず、女性名義で組まれたローンの利息が毎月発生し続けている。
我慢の限界を迎えた女性が「いい加減に出ていって」と怒ると、男性は笑いながら「もう怒るのやめて、一緒にここで暮らそう」と言い放ったという。
女性は「彼は私がただ“すねている”程度にしか思っておらず、本気で終わったと思っていないようだ」と戦慄し、「どうすれば追い出せるのか」と法的対処を求めた。
これに対し、出演していたヤン・ジヨル弁護士は「婚姻届けが出されておらず、共同名義の契約でも名義人の確認が重要になる。複雑だが、契約内容に基づいて財産権を明確にしなければならない」とアドバイスした。
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