
ロシアと北朝鮮が最近再開したモスクワ―平壌直行便が「満席」と報道されたにもかかわらず、実際の搭乗者は全座席の5分の1程度だったことが明らかになった。
北朝鮮専門メディア「NKニュース」は8月7日、ロシアのメディア「ロシア24」と「ロシア1」が放送した映像に基づきこのように報じた。
これに先立ち、ロシア国営通信リアノーボスチは、最大440人を収容可能なボーイング777-200ER機で運航されるモスクワ―平壌便の初便が早期に完売したと報道していた。
しかし、「ロシア24」「ロシア1」が公開した映像では、平壌行きの機内に多くの空席がある様子が映っていた。
「ロシア1」によると、モスクワ発平壌行きの便には約80人が搭乗しており、その多くが北朝鮮住民とロシア代表団だったという。
一方で、平壌発モスクワ行きの便(約400席)は完売し、ロシアへ向かう北朝鮮住民が主に予約したものと推定されている。
放送映像によると、機内放送はロシア語と朝鮮語で、機内食メニューは朝鮮語で表記されていた。ロシアの客室乗務員には朝鮮語が書かれた資料が配布されたが、使用されていた朝鮮語は韓国式表記だったと見られている。
搭乗客の大半が北朝鮮住民だったことから、この直行便の運航は両国にとって異なる意味を持つ可能性があるとの分析も出ている。
東西大学のクリス・マンデー教授は「NKニュース」に対し、「この報道から見えてくるのは、北朝鮮とロシアの接近は主に軍事目的に根ざしているが、商業的・観光的連携は依然として弱いという点だ」と指摘した。
また、「北朝鮮は政府関係者や軍人、海外労働者をロシアに送り込むために直行便を活用している一方で、ロシアはこのプロジェクトを軍事協力の“おまけ”程度に見ている可能性がある」と評価した。
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