40代の会社員Aさんは最近、スーパーでビールを買おうとして失敗した。4缶で1万400ウォン(1缶当たりで2600ウォン)というイベント案内を見て購入したが、計算したら1万2000ウォン(同3000ウォン)だった。なぜか。選んだビールの中に、イベント商品でない製品が入っていたためだ。ビールを交換するには階を一つ降りなければならない。結局、そのまま会計した。「ぼったくられたような気分」が残った。
一部ビールの割引価格が昨年末、「詰め合わせ4缶1万ウォン」という公式を破って1000ウォン値上がりしたことから、こうした混乱が頻発している。
ビールの輸入会社と原価別で割引イベントが異なるため、それぞれ違うイベント製品を混ぜて購入する場合、割引が適用されないためだ。コンビニの場合、冷蔵庫ですぐ交換をすれば良いが、スーパーの場合、またカウンターまで行かなければならず、買うのをやめる消費者も多いというわけだ。
流通業界によると、大型スーパーやコンビニエンスストアの「4缶1万1000ウォン」と「4缶1万ウォン」の詰め合わせとでは割引は適用されない。例えば、「4缶1万1000ウォン」が適用されるビール3缶と、「4缶1万ウォン」が適用される1缶を購入する場合、4缶とも割引は適用されない。
流通業界の立場からは「4缶1万ウォン」をより高い価格で売ることができるため、得になると考えてしまうが、実態は違う。
これは販売元が▽ビール輸入会社が同じ場合▽ビール輸入会社が同じでも原価が異なる場合――に分けて割引した販売を促進しているためだ。「A電子の冷蔵庫を買う時、B電子の割引プロモーションを受けられないのと同じ理屈」(大型スーパー関係者)となる。他の輸入会社のプロモーションを適用できない契約上の理由がある、というわけだ。
一方、すべてのビールの原価が同一ではないため、似たような原価の製品だけを集めた割引イベントを開催する場合もあるという。「輸入会社が同じでも原価の違うビールを一緒に割引すれば、輸入会社も流通会社も、正規販売ではなくなるので、基準を分けている」(同)そうだ。
先述のAさんはこう指摘する。「数十種のビールが陳列されていて、じっくりみて初めて、割引が適用されていないことがわかる。消費者が混乱させないためにも、きちんと分ける必要がある」
業者の中には混乱を避けるため、イベントグループ別に製品を分けて陳列するところもある。大型ディスカウントストア「イーマート」の場合、「ビールよりどり9400ウォン」の割引対象商品は別途陳列し、価格表を青で表示した。「ビールよりどり1万400ウォン」の割引商品は赤だ。
一方、ハイネケン・コリアは先月1日、「GS25」「CU」「セブンイレブン」「イーマート24」などのコンビニエンスストアで、4缶購入で1万ウォンとしていたプロモーション価格を、1000ウォン引き上げて「4缶1万1000ウォン」に値上げしている。
先月末にはOBビールが輸入・販売するバドワイザー、ステラアルトワ、ヒューガルデンなどとハイト真露のブラン1664、サンミ商事のサン・ミゲルなどが4缶1万1000ウォンに引き上げられた。済州ビールと青島ビールも来月から4缶1万1000ウォンに値上げされる予定だ。
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