2026 年 4月 12日 (日)
ホーム社会「ネットカフェ」が「福祉拠点」に再生…韓国の高齢化対策、遊休空間を活用した“予防型ケア”

「ネットカフェ」が「福祉拠点」に再生…韓国の高齢化対策、遊休空間を活用した“予防型ケア”

(c)MONEYTODAY

かつて不良少年のたまり場だった空間が、高齢者の居場所として生まれ変わった。韓国・大田市大徳区で運営される「ケア健康学校」が注目を集めている。

大田市大徳区に住む78歳の女性は、かつてうつ状態で外出もできなかったが、現在は毎日午前10時から施設に通い、午後5時まで過ごす生活を続けている。「一日中いてもやることが多く、毎日通っている」と語る。

施設では関節運動やカードゲーム、フラワーアレンジメントなど18種類のプログラムが提供され、その多くが無料で利用できる。午前9時から午後6時まで開放され、休憩スペースではお茶を飲みながら交流も可能だ。

この施設は、もともとPCバン(ネットカフェ)だった地下空間を活用したものだ。閉店後は長期間放置され、不良少年のたまり場となっていたが、大徳区が韓国土地住宅公社(LH)と協議し、無償で借り受けて高齢者向け施設として改装した。マッサージチェアや簡易キッチンも設置され、高齢者が自然に集まる環境が整えられている。

利用対象は区内在住の65歳以上で、登録者は約400人に上る。

韓国はすでに65歳以上が人口の20%を超える“超高齢社会”に入り、大徳区ではその割合が22.6%に達している。今後も高齢化の進行が見込まれる中、担当者は「単なる介護だけでなく、重症化を防ぐ予防型の取り組みが重要だ」と指摘する。

認知症予防センターや高齢者向け住宅支援と連携し、軽度認知障害の段階から支援を進めている。

一方で課題は財源の確保だ。事業は国や自治体の予算、地方消滅対策基金などに支えられているが、財政自立度は約13%にとどまる。今後は利用者の増加が見込まれ、予算の維持・拡大が不可欠とされる。

地域の遊休空間を活用し、高齢者の孤立防止と健康維持を両立するこの取り組みは、急速に進む高齢化社会への一つのモデルとして注目されている。

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