2025 年 8月 26日 (火)
ホーム社会「ニューヨークやパリでもないのに」ソウル都心にネズミ出没…「気候変動」年々増加

「ニューヨークやパリでもないのに」ソウル都心にネズミ出没…「気候変動」年々増加

gettyimagesBank(c)MONEYTODAY

ソウル市内のあちこちで、これまでほとんど見られなかったネズミの出没が相次いでいる。原因のひとつとして「気候変動」が指摘されており、ネズミを媒介とする致命的な感染症への懸念が高まっている。

ソウル市の江南区や江東区によると、区庁の民願掲示板に最近、ネズミ出没の通報が相次いでいる。これまでニューヨークやパリといった老朽化した国際都市でよく見られた光景が、地下鉄駅やバス停などソウルの公共施設でも確認されているのだ。

これを受け、自治体はスマート捕鼠器を設置したり防疫を強化するなど、緊急対応に乗り出している。

専門家は、ネズミの個体数が増えた根本的な要因として「気候変動」を挙げる。気温上昇によって冬季の生存率が高まり、繁殖期間も長くなったという。昨年秋(9~11月)の全国平均気温は16.8度で、平年より2.7度も高かった。

また、この夏に頻発した局地的集中豪雨も理由の一つだ。下水管が浸水し住処を失ったネズミが地上に出て活動範囲を広げたためだ。生息地が安全でない場合、隠れて暮らしていたネズミまでもが人間の生活区域に進出する。繰り返される豪雨がネズミ目撃事例を増やす環境をつくったわけだ。

さらに積極的な防除が難しい点も原因として挙げられる。都心には天敵がいないため個体数の調整が難しく、保健所が毒餌を設置しても一部住民の抗議で防疫が遅れる場合がある。

ネズミの個体数増加は国際的な現象にもなっている。

こうした増加は保健上の脅威につながる。ネズミは腎症候群出血熱やレプトスピラ症といった致死率の高い疾病を媒介する主要な存在だ。ネズミの尿や分泌物で感染する腎症候群出血熱は高熱や腎不全を引き起こし、致死率は最大15%に達する。レプトスピラ症も発熱や筋肉痛を伴い、重症化すれば命に関わる。両方ともワクチンがないため、予防が最も重要である。

(c)MONEYTODAY

RELATED ARTICLES

Most Popular