現場ルポ
看板製作会社のイ・チャンヨンさんも、法律事務所事務長のオク・スチョルさんも、ともかく猫を見捨てることができなかった。自然に、捨てられたり虐待されたりしている猫を助ける、ということを仕事にするようになった。
韓国では最近、残酷な虐待で苦しんでいる猫、氷の上に捨てられたり、地中に生き埋めにされたペット犬の事件が衝撃を与えている。
京畿道(キョンギド)光明市(クァンミョンシ)の再開発区域で先月22日、工事現場のマンホールに猫が落ちる出来事があった。出産して2週間の親猫がマンホールの中にいたのに、その上を土で覆ってしまった――こんな情報が入ってきた。猫探偵たちが出動し、ミニフォークリフトを使って土を再び掘り起こした。マンホール近くで3日間待ち続け、25日午前、ついに猫を見つけ、救助した。
オクさんは、怪我をした猫が近所に多いことに驚き、救助を始めたという。「仕事を初めてから10年が過ぎて、救助した正確な数はもうわからない。飼い猫、野良猫を含め少なくとも計3000~4000匹は救助したのではないか。多い時は年間に400~500匹を救助する」
イさんは、あるタイヤの売り場を訪問した時、子猫5匹が狭いタイヤを住まいにしながら生活しているのを見つけた。うち3匹はつややかな黄色い毛を持っていて、すぐに引き取られた。残る2匹は引き取り手がいなかった。
イさんは、車にはねられて死んでいる動物をみるたびに、心が痛んだ。結局、この2匹を引き取り、「ハヌル」と「パダ」という名前を付けて飼うことにした。
それがきっかけで、猫に関心を持ち始めた。イさんは既に活動7年目。これまで1000頭余りを救助してきたという。
◇探す方法を伝えたい
猫探偵は救助要請があれば、費用を受け取って動く。だからといって高収入であるわけではない。救助した猫を自費で治療すれば、その費用は少額ではない。2人とも具体的な収入は公開しなかった。
イさんは近く、看板製作業を整理し、猫救助の専業になる。一度、救助に行けば、約10万~20万ウォンを受け取る。ガソリン代や動物病院費などを引けば、多くは残らない。
YouTube生放送で、高層ビルの屋上に閉じ込められた猫の救助シーンを見たというチャンネル登録者が、その猫を引き取りたいという。その人物は江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)在住だったが、イさんは動物病院での検査を経たのち、その猫を連れて行った。
猫を保護する憩いの場には現在80匹余りがいる。そこもイさん夫婦が運営している。オクさんは「依頼を受けて、ソウルから行けば、5万ウォンも残らない。高速バスに乗って、サウナで寝泊まりして経費をできるだけ節約する。食べていく分くらいは稼ぐ」そうだ。
オクさんは「教育と防止」を理由にYouTubeチャンネルを運営しているそうだ。「飼い猫がいなくなるのを望んでいる飼い主はいないだろう。だから、行方不明になった際に探す方法を伝えていきたい。体力が続く限り、多くの猫を救いたい」
猫探偵に資格があるわけではない。政府が管理・監督するようなものでもない。「自称“探偵”がお金だけもらって、付近を一回りしただけで行方をくらますこともある」。オクさんはこう残念がっている。
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