
韓国で、ソウル以外に住む人によるソウル・マンション購入は、この3年間で着実に増えていた。イ・ジェミョン(李在明)大統領が非居住・投機目的の購入をけん制した以前から、地方資金の「ソウル一戸」志向はすでに定着していた。地方の住宅価格が伸び悩む一方、江南3区など都心部への資産集中が一段と強まっているとの見方が出ている。
韓国不動産院の統計を基に再集計したところ、ソウル以外の地域に住む人のソウル・マンション購入は、2022年の7710戸から2023年に1万7493戸、2024年に1万9590戸、2025年には2万4808戸へと3年連続で増加した。ソウル全体の取引に占める外部居住者の割合は各年ともおおむね20%前後で推移し、2025年は約21%と、5件に1件以上が外部居住者による取引とみられる。
こうした動きが積み重なる中で、大統領が「居住目的でなければ購入しない方が得策だ」との趣旨で警告を発したが、市場ではそれ以前から地方在住者のソウル進出が明確になっていた。
2025年のソウル・マンション売買価格の年間上昇率は8.98%と、韓国不動産院が集計を始めた2013年以降で最高を記録した。2018年の8.03%を上回り、「ソウルのマンションは最終的に上がる」という学習効果をさらに強めたとの評価が広がる。金利上昇や各種規制が重なる環境でも、都心マンションを安全資産とみる認識は揺らがず、外部居住者の需要を刺激し続けている。
地方資金の流入先として最も目立つのは江南3区だ。江南・瑞草・松坡における外部居住者の購入は、2022年の1415戸から2023年に2736戸、2024年に4475戸、2025年には4836戸へと増えた。外部居住者のソウル購入全体に占める江南3区の比率は、年によっては30%を超え、2021年には32.35%に達した。2025年も19%台を保ち、資金集中の軸が依然として江南圏にあることを示す。
江南の価格水準が高いことから、代替の有力地として注目を集めるのが麻浦・龍山・城東の「マ・ヨン・ソン」地域だ。相対的に価格のハードルが低く、職住近接性や生活インフラが整う点が評価され、再開発や業務地区整備、広域交通網の話題が浮上するたびに外部居住者の関心が高まってきた。
専門家は、こうした現象を「政策と需要の乖離」とみる。地方の住宅市場が調整局面に入る中でも、ソウルの中でも江南3区やマ・ヨン・ソンは値上がりするとの見方が投資判断を左右しているという。地方資産を整理し、都心の一等地へ組み替える流れが続けば、ソウルと地方の住宅・資産格差はさらに広がる可能性があると指摘している。
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