
1980年代前半から2010年前半に生まれた韓国のMZ世代の間で、自分自身を掘り下げる「セルフディギング(Self-digging)」文化が広がっている。他人のSNSにばかり目を向けていた従来の傾向とは異なり、性格、価値観、外見、好みなど関心を「自分」へとシフトさせる動きだ。
この流れの中で、SNSでは新たなセルフ分析コンテンツも登場した。女性ホルモン「エストロゲン」を繊細な性格の象徴、男性ホルモン「テストステロン」を外向的な性格の象徴として、「エゲン女」「テト女」「エゲン男」「テト男」の4タイプに個人の性向を分類。それを恋愛スタイルと関連付けて自己分析するテストだ。
オタクやアイドルがよくやる「100問100答」も再流行。自分自身の変化を記録するため10回以上「100問100答」に挑戦したという就職活動中のカン・ジンソさん(25)は「自分らしい答えが見えてくる。自己理解の確信につながる」と語る。
こうした流れはライフスタイルにも影響を与えている。週末に開かれる少人数制の体験型講座が人気を博し、すぐに定員が埋まるほど。木製リング作りやベーキング、グラス作りを通じて「自分の意外な一面に気づいた」と語る若者も多い。
専門家は「他人の生活に過剰に関心を持ち疲弊した人々が、自分に目を向け始めた結果だ」と分析。健全な「自己深掘り」を続けるには、過度な没頭を避け、日常体験を通して客観的に自己理解を深めることが重要だと説く。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「人生とは自己探求の過程であり、外部の基準に依存せず、自らの経験を通して内にある可能性を発見することが本質」と話す。また、嶺南(ヨンナム)大学のホ・チャンドク教授も「自己中心的な内向き思考に陥らないよう、自分自身を外側から見つめ直す姿勢が必要だ」と指摘している。
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