韓国で金融プラットフォームを通じた新規カード加入者が増えているなか、キャッシュバックの特典だけを得て、バッタのようにカード会社を乗り換える利用者も増加している。新規顧客数は増加しているものの、過度なマーケティング費用が収益を圧迫しかねず、カード会社はジレンマに陥っている。
トス(Toss)とネイバー(Naver)、カカオペイ(Kakao Pay)など主な金融プラットフォームでは、クレジットカードを新しく作れば、7万~23万5000ウォンの現金またはポイントをキャッシュバックを受けられる。新たに発行されたクレジットカードを一定金額以上使うなど条件を満たせば、現金やポイントが付与される。
例えば、サムスンカードはネイバーペイ加入後「ザ・ワン(The 1)プレミアムカード」で一定期間内にネイバーペイ簡単決済を合計20万ウォン以上使えば、ネイバーペイポイント20万ウォンが貯まる。これを使ってマンション管理費、移動通信料金、ガス料金、電気料金、4大保険料(国民年金・健康保険・介護保険・雇用保険)などの引き落とし手続きをすれば、最大3万5000ネイバーペイポイントが付与される。
破格のキャッシュバック特典のため、プラットフォームを通じたカード新規加入者は着実に増加している。あるカード会社関係者は「新型コロナウイルス感染で非対面募集が活性化し、主な金融プラットフォームが顧客募集の主要な窓口になった」と話している。
韓国ではカード市場が飽和状態に達している。カード会社は新しい顧客を獲得するために、決済市場のライバルである金融プラットフォーム企業と提携してまで「現金性イベント」を展開しているわけだ。一種の「苦肉の策」といえる。高い経費がかかるカード募集者よりも、オンラインでのカード募集の費用は通常3分の1ほど少ない。
一方で、最近、財テクに詳しい会社員と主婦の間で、こうしたイベントを利用して頻繁にカード会社を乗り換える“風車回し”が流行し、カード会社がジレンマに陥っているのだ。
カード会社のイベントの対象となるのは、直前の6カ月から1年間、自社のクレジットカード取引履歴のない顧客だ。これに目をつけ、特典ばかりを追い求める「チェリーピッカー」は、自身のカード発行の日付などをエクセルなどで管理し、再び特典を受けられる時期になればまたプラットフォームを通じて新しくカードを作る――などの方法を財テク交流サイト(カフェ)でシェアしているという。
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