![](https://koreawave.jp/wp-content/uploads/2025/02/「オリーブヤング攻略せよ」…韓国ビューティ市場、ターゲット別の競争激化-1024x681.jpg)
韓国の化粧品プラットフォーム市場で圧倒的なシェアを誇るCJオリーブヤングに対抗するため、各種バーティカルプラットフォーム(特定分野に特化したECプラットフォーム)がビューティ市場攻略を加速させている。景気低迷が続く中でも化粧品分野は成長を続けており、各社が新たな戦略で市場に参入する動きを見せている。
既にムシンサ(MUSINSA)、カリー(Kurly)、エイブリー(ABLY)などが市場を先行する中、「29CM」は韓国内外の高機能スキンケアブランドを厳選し、独自の戦略で参入を図る。
29CMは、ビューティ市場が「10~20代向けの低価格ブランド」と「百貨店中心の高級ブランド」に二極化していると判断。そこで、「健康的なライフスタイル」を重視する新興ブランドを発掘・強化し、隙間市場を狙う戦略を展開する。
特に、セラムやエッセンス、フェイスマスクといった高機能スキンケア製品や、独自の香りやデザインが特徴的なボディ・ヘアケア製品の取り扱いを増やしている。加えて、ブランドストーリーを伝えるコンテンツ戦略を強化し、競争力を高める方針だ。
実際に29CMで人気を集めるブランドには、ドクターズコスメ(皮膚科医監修化粧品)、ヴィーガンビューティ、クリーンビューティといった共通点がある。
例えば、皮膚科専門医が開発に関与するドクターズコスメ「JOODOC」は、昨年12月の取引額が前年比5倍に増加。KraveBeautyやLUSHもそれぞれ7倍、3倍の成長を記録した。
29CMの関係者は「昨年、ビューティカテゴリーの年間取引額は前年比60%以上増加し、特に25~39歳の女性顧客が、ファッションだけでなくビューティ分野でも自分の好みに合ったブランドを探していることが明らかになった」としたうえ「キュレーションを強みとし、ファッションやライフスタイル全般にわたって顧客のニーズに応えるプラットフォームに成長する」と述べた。
ムシンサは、10~30代のトレンドに敏感な顧客層をターゲットに、新進気鋭のビューティブランドを発掘。大型オフラインストアでは取り扱われていない新ブランドを展開し、ファッションと組み合わせることで、ムシンサならではの独自商品を強化している。
昨年からは「MUSINSA BEAUTY FESTA」というオフラインイベントを積極的に開催し、オリーブヤングに対抗する存在として成長を続けている。
一方、新鮮食品宅配サービスからスタートしたKurlyも、ビューティ市場に力を入れている。
Kurlyはランコム、雪花秀(ソルファス)、エスティーローダーといった百貨店ベースのラグジュアリーブランドを早朝配送で提供する点を強みに、既存顧客である30~40代女性層の流入を増やしている。現在、「ビューティKurly」の入店ブランドは1000以上に達し、そのうち30%以上が高級ブランドとなっている。
さらに、「ビューティKurlyフェスタ」というオフラインイベントも3年連続で開催し、年間行事として定着させている。
このように、各プラットフォームがビューティ市場に積極的に進出する理由は、既存の忠実な顧客層に対し「クロス購入(異なるカテゴリーでの購入)」を促進し、客単価(客1人あたりの購入額)を引き上げる狙いがあるためだ。
例えば、ファッションを購入した顧客が化粧品も一緒に購入することで、売り上げが増加する仕組みを作る。特にファッションや食品は、ビューティ分野と密接な関係があり、クロス購入を促しやすい。
業界関係者は「ファッションや食品を強みとするムシンサ、29CM、Kurlyがビューティ市場を取り込むことで、消費者は1つのプラットフォームでトータルショッピングが可能になり、利便性が向上する」と指摘している。
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