2025 年 4月 17日 (木)
ホーム社会「もう韓国行きたくない」…尹錫悦氏罷免後も続くデモ、外国人観光客に“敬遠ムード”

「もう韓国行きたくない」…尹錫悦氏罷免後も続くデモ、外国人観光客に“敬遠ムード”

7日午前9時ごろのソウル市鍾路区にある憲法裁判所の向かい側の歩道の様子。観光客は多くなかった(c)MONEYTODAY

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の大統領職罷免により憲法裁判所の弾劾審判は終結したものの、観光業界の不安は依然として消えていない。とりわけ、団体・個人観光客が集中するソウル中心部での大規模なデモが続いており、今年は内外の観光客数が減少するとの懸念が広がっている。

韓国観光公社が発表した2月の統計によると、韓国を訪れた外国人観光客のうち、中国(前年比-0.8%)、香港(-14.6%)、マレーシア(-14.8%)からの訪問者数が前年同月比で減少した。特に中国は訪韓観光客数・消費額ともに最多の国であり、実際の被害規模はさらに大きいと見られる。

韓国免税店協会によれば、2月の全国免税店訪問客数は210万人で、これは2023年9月以来の最も少ない水準となった。

韓国国内の観光需要も冷え込んでいる。2月の国内観光客数は前年比1.4%減、観光消費は5.0%減となり、特に地域住民に人気だったソウル旅行が激減したことが影響している。ソウル市鍾路区によると、弾劾審判の中心地となった憲法裁判所周辺の商店では売り上げが50~80%減少。赤字に耐えかねて閉店を検討する業者も出ているという。

観光業界では、光化門・汝矣島・三角地などソウル中心部で続くデモが、観光客の敬遠を招く可能性があると見ている。大手旅行会社の関係者は「通常なら繁忙期にあたる12月~2月でも、問い合わせは前年の50~60%程度にとどまっている。デモによる衝突や交通混乱など、安全面を懸念する声が多い」と語った。

特に団体観光客の減少は深刻だ。道路の統制で移動が困難になったこと、文化体験が制限されていること、追加費用が発生することなどが主な理由とされる。実際、4日の弾劾宣告日には、景福宮や昌徳宮、国立古宮博物館などが臨時閉館し、「外国人観光客の姿がほとんどなかった」との報告もある。

加えて、3月には全国的な山火事の影響で地方の春祭りが次々と中止された。ソウル市永登浦区、慶尚北道安東市、奉化郡などでは桜祭りが中止となり、予定通り開催された慶尚南道・鎮海軍港祭でも一部行事が縮小された。大統領選が近づくにつれ、選挙法により地方自治体の行事開催が制限される可能性もあり、さらにイベントが減る可能性がある。

こうした流れが続けば、韓国観光業界が掲げていた2019年水準(訪韓外国人1750万人)回復の目標も達成は困難とみられる。昨年12月の戒厳令発表直後には、サウジアラビアの王族や日本の修学旅行団が訪韓をキャンセルした例もあり、再発の懸念もある。

特に観光業の新たな柱とされるMICE(国際会議・展示会)関連のインフラの多くがソウルに集中しているため、影響は深刻だ。

旅行プラットフォーム関係者は「韓国観光の最大の魅力は『安全で清潔な旅先』というイメージだったが、戒厳令とデモの影響でその評価が揺らいでいる。官民一体となって訪韓意欲の回復に努めると同時に、主要観光地の安全対策強化が急務だ」と指摘した。

(c)MONEYTODAY

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