2025 年 4月 2日 (水)
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「がん患者の治療が急を要するのに」…韓国の医療混乱、大病院でもがん手術の遅延が急増

Pixabay(c)KOREA WAVE

医大の定員増員など韓国政府の医療改革によって医療界との対立が深まり発生した「医療大乱」により、がん手術の遅延が急増したことが明らかになった。

最大野党「共に民主党」のキム・ユン議員が国民健康保険公団から提出を受けた資料によると、昨年、胃がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がん・肺がん・膵臓がん・頭頸部がんなど主要7大がんにおける、初診から手術までの待機期間が全体的に増加していたことが確認された。

昨年のがん手術患者数は合計2万5680人で、前年より7.3%(2022人)減少した。平均待機期間は37.9日から43.2日へと5.3日延び、待機期間が31日以上の患者の割合は2022年の40.7%から2023年には49.6%へと8.9ポイント増加した。

また、上級総合病院でのがん手術患者数は2022年の2万1013人から2023年には1万6742人へと4271人(20.3%)減少し、平均待機期間は40.2日から46.4日へと6.2日延びた。いわゆる「ビッグ5病院」の患者数も4242人(51.48%)減少した。

ソウル大学のユン・ヨンホ教授の研究によると、手術件数の少ない病院で手術が1カ月以上遅れると、主要ながんの生存率が低下するという結果が出ている。特に乳がん患者は死亡リスクが2倍以上高まることが確認された。

つまり、上級総合病院でのがん手術患者が減少し、待機期間が31日以上の患者の割合が増加している現在の医療大乱の中では、がん患者の死亡率がさらに上昇する可能性があるということだ。

さらに、今回の統計は初診日が昨年2月20日~7月31日、手術日は2月20日~10月31日の期間のみを対象としており、実際にはさらなる手術遅延のケースが存在する可能性が高い。

これを受けて、キム議員は「保健医療基本法」の一部改正法案を代表発議し、医療大乱による患者被害の実態調査を体系的に実施することを求めた。

改正案の主な内容は「国家保健医療危機状況」の定義の新設だ。具体的には、公衆保健危機、災害および安全管理基本法による危機警報発令、医療サービスや医薬品の供給中断により国民が正常な医療サービスを受けられない状況、外部環境によって国民の健康に深刻な被害が発生または懸念される状況などが含まれる。

また、危機状況が発生した場合、保健福祉相は迅速に患者被害の実態調査を実施し、その結果を公表、対応策を速やかに策定・実施しなければならない。

(c)KOREA WAVE

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