新型コロナウイルスのパンデミック以来、3年ぶりに迎えた旧正月では「ホンソル族」(一人で正月を過ごす人々)を自任する市民が増えた。ソウル・鷺梁津(ノリャンジン)で公務員試験を準備する受験生から、病院で一晩中患者の世話をする看護師までさまざまだった。
会社員のカン氏(34)は今年初めて「ホンソル族」に合流した。親戚にお年玉としてあげる現金がなかったためだ。昨年の秋夕(お盆)、カン氏は名節プレゼントと親戚、両親の小遣いだけで100万ウォン(1ウォン=約0.1円)を使ったという。
カン氏は「月給から生活費、返済金などを除けば残ったお金がない。最近、金利引き上げで毎月返さなければならない住宅担保貸出元利金償還額が70万ウォン増えた。旧正月以後、両親を別に訪ねようと思う」と打ち明けた。
カン氏のように経済的な理由で旧正月を一人で過ごす人も多かった。
旧正月の期間中にアルバイト、副業を選んだ人もいた。ソウル市瑞草区(ソチョグ)に住む会社員のキム氏(33)は、帰省の代わりに配達のアルバイトをすることにした。「残った時間には会社からもらったギフトセットも中古取引サイトに載せてお金を稼ぐつもり」
ソウル市東大門区(トンデムンク)に住む就活生のアン氏(29)は、故郷の全羅南道(チョルラナムド)木浦(モクポ)に行かず、一人で旧正月を過ごした。お年玉をあげたり、もらったりするのも難しいからだ。
アン氏は「同じ年ごろの他のいとこたちは就職をして弟たちにお年玉をあげるが、まだ(私は)お年玉をあげる余裕がない。親戚の家にお年玉を渡しに行くたびに(私の就職問題で)両親が悲しむ。そんな姿、見たくない」と訴えた。
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