2025 年 9月 4日 (木)
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「いまや分単位の配送競争時代」…韓国流通業界“クイックコマース”戦拡大

ソウル市内の通りで配達業務中のライダー(c)news1

韓国の流通業界で、即時配送を意味する「クイックコマース(Quick Commerce)」の競争が激化している。もはや「当日配送」では遅く、「分単位の配送スピード」が競争力の指標となりつつある。これまでコンビニを中心に拡大していた即時配送サービスは、大手マート、eコマース、ホームショッピング業界まで広がりを見せている。

業界によると、韓国の大手流通企業イーマートは9月1日からSSGドットコムと連携して、イーマート商品を注文から1時間以内に届ける「バロクイック(BaroQuick)」サービスを開始。これは2025年5月にホームプラスが導入した「マジック(店舗から直接配送)」に続くもので、大型マート間のクイックコマース競争がさらに激しさを増す見通しだ。

実際、ホームプラスではマジック導入後の5~7月の関連売り上げが前年同期比で17%増加し、利用顧客数も60%以上増えた。こうした流れに乗り、配送距離の短縮、外部の配送代行会社(バログなど)との連携により、いかに短時間で商品を届けるかの“時間競争”が本格化している。

SSGドットコム関係者は「配送時間の短縮のため、商品の準備から配送までの全工程をシミュレーションし、店舗の半径3km以内に限定して対応している。イーマートの直仕入れ構造がそれを可能にしており、バログを通じて配送する」と述べた。

ホームショッピング業界もスピード配送競争に参戦している。CJオンスタイルは「バロ・トチャク(すぐ到着)」という新ブランドを導入し、当日配送商品の注文締切時間を従来の午前10時30分から午後1時まで延長。導入初日から10日間で、軍浦物流センターの出荷量が前月比32%増加するなど即効性も見せた。CJオンスタイルによると、今年1月から「週7日配送体制」を開始して以来、月間物流量は平均17%以上増加。システムの改善によってさらなるスピード配送に備えるという。

クイックコマース市場の成長傾向は明らかで、コンビニ業界ではすでに成果が出ている。CUでは2020年に前年比125.8%の売り上げ増、昨年はさらに142.8%の伸びを記録した。GS25も2024年は75.4%、2025年(1月~8月24日)も61%増と拡大を続けている。

eコマース分野では、マーケット・カリーが一部地域(麻浦区・江南区)で1時間以内配送のベータテストを手掛けて、2025年に入って利用者数が2倍以上に増加。9月には新ブランド「カリーNマート」も展開予定だ。

(c)news1

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