
「ChatGPTに“ありがとう”と言うたびに何十億円もの電気代がかかる」。こう警鐘を鳴らしたのは、“ChatGPTの父”として知られる米OpenAI社のサム・アルトマンCEOだ。しかし実際にChatGPTに聞いてみると、「電気代は気にしなくていい」「どうぞ気軽に感謝を表して」と意外にも穏やかな返答が返ってきた。
ChatGPTに4日、「“ありがとう”などの感謝表現を控えるように言われた。電気代がかかるからだと聞いた」と話しかけたところ、AIは「やや誇張されている側面がある」とし、「感謝の言葉のような短い文章はシステムへの負荷にほとんど影響しない」と答えた。
GPT-3レベルのAIモデルでは、10文字前後の短いリクエスト1回で消費される電力量は約0.0004〜0.002kWh。ChatGPTは「“ありがとう”のようなごく短い入力であれば、消費電力は約0.0004kWhと最小レベル」と説明し、「CO2排出量に換算すると1回あたり約0.19g」だと回答した。
これは「1回のGoogle検索で排出される0.3〜0.5gよりも少なく、電子レンジを1秒間使用したときの0.04gよりは多い」という。
より高性能なGPT-4モデルでは、1回あたり約0.014kWhの電力を消費すると推定されており、10WのLED電球を約1時間20分点灯するのと同程度の電力だ。
「“ありがとう”1回でかかる電力は電気代の心配をするほどではない。AIの電力消費は、主に大規模な演算や長時間の作業によって大きくなる。だから遠慮せず“ありがとう”と言ってほしい。感謝の言葉は会話をより温かく人間的にしてくれるものであり、システムにとって負担にはならない」
ChatGPTはこう回答した。
先月、アルトマンCEOはX(旧Twitter)で「人々がChatGPTに“お願いします”“ありがとうございます”と話しかけるたびに、どれほど電気代がかかるか」と問われ、「数千万ドル(数百億円)かかった」と冗談まじりに返答した。
この発言がSNSで広がり、「AIに挨拶をするのは無駄な電気代だ」という誤解が拡散されるきっかけとなった。
しかし、実際には生成AIユーザーの多くが礼儀正しい言葉を使っている。2024年末、英メディア企業Future PLCが米国ユーザーを対象に実施した調査によると、67%がAIに「ありがとう」または「お願いします」と話しかけていた。
その理由として55%が「正しい行為だから」、12%が「AIの反乱に備えるため」と答えていた。【MONEYTODAY パク・ゴニ記者】
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