韓国・高麗(コリョ)大学安岩(アナム)病院のパク・ホジン整形外科教授はこのほど、3Dプリンティング技術で顔面骨や頭蓋骨が欠損した患者にオーダーメード型人工骨移植に成功したと明らかにした。外傷や病気の治療で顔面骨や頭蓋骨が損傷・欠損した患者に新たな治療法として使われる見通しだ。
顔面骨と頭蓋骨は機能的・外的に重要な役割をする。顔面骨は顔の形を決めて、食べ物を噛んだり呼吸をする時も必要だ。頭蓋骨は脳を保護し、額と後頭部の形を決める。
しかし、交通事故・転倒などの外傷で損傷したり、がんや炎症治療のためにやむを得ず切除したりする場合もある。損なわれれば機能的・美容上の目的で再建が必要だ。
従来はチタン金属板や、患者の尻骨、ふくらはぎ骨、正常な頭蓋骨から自分の骨を採取してきた。ただ、チタン金属板は体が異物と認識して炎症を起こす可能性がある。自分の骨を採取する場合、採取した部位にまた別の欠損が生じ、広範囲な使用は難しかった。
加えて、顔面骨と頭蓋骨は人によって形も異なり、欠損部位を元どおり再建することは容易ではない。
3Dプリンターを活用した再建は患者の欠損部位を把握した後、コンピュータシミュレーションで欠損が生じる前の顔面骨・頭蓋骨の形を仮想的に作り出す。できるだけ元の顔の形に近づけて人工骨をデザインし、3Dプリンターでプリントし、使用される材料も患者ごとのオーダーメード方式で選択される。
こうして作られた患者オーダーメード型人工骨は広範囲な部位に適用可能で、眼球陥没、顔面非対称、顔面骨低形成症、頭蓋骨非対称、頭蓋骨陥没、頭蓋骨欠損などを治療することができる。
パク教授は「患者オーダーメード型人工骨を利用した先端技術で、顔面骨や頭蓋骨の理想的な再建が可能だ。ただし副作用を最小化するために手術前に適切な検査が必要で、経験豊富な医療スタッフを見つけることが重要だ」と述べた。
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