
米国との関税協議のデッドライン(7月8日)が70日後に迫るなか、韓国政府は「拙速は避けつつ、必要なときにはギアを上げる」姿勢を明確にした。
産業通商資源省のパク・ソンテク第1次官は28日、先週開始された対米関税協議の結果を説明する中で、協議の進行速度に関する懸念について「急ぐ理由はないが、ためらう余裕もない」と述べた。6月の大統領選挙前に協議を妥結させる可能性は否定しつつも、避けられない懸案については現政権が責任を持って処理する意志を示した。
今回の協議は国別・品目別に関税が異なるため、2018年の韓米自由貿易協定(FTA)改定交渉よりも複雑であり、政府は「国益最優先」を掲げて協議の公正な進行に力を入れている。
パク・ソンテク氏は「70日では毎週交渉しても回数は限られる。今後の1カ月半をただ寝かせてしまえば、残りの1カ月で交渉をまとめるのは不可能だ」と強調。現政権が次期政権に向けて、できる限りの下準備を整え、交渉の空白を防ぐ考えを明らかにした。
7月までに目指す「7月パッケージ」の最終合意は次期政権に引き継がれる予定だが、韓国政府は関心事項の整理と争点の解決に集中する。
現在、韓米は今週から関税・非関税措置、経済安全保障、投資協力など3分野に分け、6~7つの実務作業部会(ワーキンググループ)を設置する予定。早ければ来週にも初の実務協議が開始される見込みだ。
また、来月15~16日に済州島で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)通商大臣会合が、韓米協議の最初の重要な分岐点となる。ここで両国はこれまでの進展状況を点検し、実質的な譲歩案や要求事項を確認する予定。
パク・ソンテク氏は「次週にはワーキンググループ協議を本格化し、その翌週には通商大臣同士の追加交渉を予定している。7月パッケージに向けた協議の輪郭が具体化される」と見通した。
(c)news1