2025 年 12月 7日 (日)
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韓江さんノーベル文学賞から1年…世界文壇の「中心」に躍り出たK-文学

ノーベル賞授賞式に臨む韓国の作家ハン・ガンさん(c)AP/NEWSIS

韓国人として初めて、またアジア女性としても初めてノーベル文学賞を受賞した作家ハン・ガン(韓江)さんの快挙から1年。彼女の受賞は一作家の栄誉にとどまらず、韓国文学(K-文学)が世界文壇の「周縁」から「中心」へと躍り出る転機となった。

ハン・ガンさんがスウェーデン・ストックホルムの舞台で「ゆっくりと現実感と感動が押し寄せた」と語ったその瞬間、世界文学の地図が静かに塗り替えられ始めた。

韓国文学翻訳院によると、翻訳支援を受けた韓国文学作品の海外販売部数は2024年に約120万部を記録し、前年(52万部)比で130%以上増加した。2020〜2024年の5年間で、40言語圏に942作品が刊行され、累計販売は約268万部に達した(2019〜2023年は834作品・約195万部)。

とりわけハン・ガンさんの受賞以降、世界大手出版社ペンギン・ランダムハウスやアシェット(Hachette)などが韓国文学への投資を拡大。北米と欧州を中心に韓国文学の読者層が広がった。翻訳院関係者は「韓江のノーベル賞は韓国文学の世界的拡散を決定づけた」と分析する。

ハン・ガンさんの著作は翻訳院支援により28言語・77作品が出版され、2024年だけで31万部以上を売り上げた。過去作も再評価され、2023年3万部だった販売数が翌年には15万部へと急増。スペインなどでは「ノーベル賞作家」名義での再刊や装丁リニューアルが相次いだ。

スペイン・マラガ大学のアントニオ・ドメネク教授は「韓国現代文学は翻訳と国際文学賞受賞を通じて急速に存在感を高めている。Kカルチャーと相乗し、拡散の速度はさらに速まっている」と指摘した。

ハン・ガンさんの受賞は沈滞していた韓国出版業界にも新たな息吹を吹き込んだ。受賞直後、主要作品が全国の書店で完売し、大型書店と町の本屋のベストセラーを席巻。出版社は50万部を緊急増刷し、発売から6日で累計100万部を突破した。

大韓出版文化協会によれば、2024年の出版企業総売り上げは4兆8911億ウォンで前年より微減したものの、営業利益は36.4%増の1468億ウォンを記録。文学トンネ、創批(チャンビ)など文学専門出版社は売り上げ・利益ともに二桁成長を達成した。

単行本部門の売り上げは4.3%増(4653億ウォン)、営業利益は倍増。ウェブトゥーン・ウェブ小説分野も22.1%伸び、主要書店5社の合算売り上げは2兆2524億ウォンに達し赤字から黒字へ転換した。

出版協会関係者は「ハン・ガンさんの受賞が出版不況の中で読者を再び本に向かわせた。単なる一時的ブームを超え、文学への関心を再び喚起した」と語る。

(c)NEWSIS

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