韓国・聖水洞(ソンスドン)通りが流通業界「ポップアップストア聖地」として浮上している。消費主軸に浮上したMZ世代(文末参照)が多く、正規の売り場開店・商品発売直前に消費者反応を調べる「テストベッド」の役割を果たすことができるという理由からだ。
ファッションだけに限った話ではない。ブランド品やファッションはもちろん、食品・酒類から流通チャンネルまで、業界全般でMZ世代をリードする場所として聖水洞を選定している。
新世界インターナショナルによると、ソウル聖水洞で11月19~27日に開かれた45周年「スタジオトムボーイ」ポップアップストアに1万人以上の訪問客が集まった。
自然に訪問客と疎通し、ブランドアイデンティティを知らせる窓口として活用し、期待以上の成績を収めたのだ。この期間、ポップアップストア訪問客の90%以上がMZ世代であることが集計された。
MZ世代をターゲットにしたプラットフォームとファッション会社も相次いで聖水洞にポップアップストアを開いている。Wコンセプトも聖水洞に最初のポップアップストアをオープンした。自社ブランドの「フロントロウ(FRONTROW)」から「インク(EENK)」「LE 17 SEPTEMBRE(ル ディセット セプトンブル)」など人気ブランドの衣類や雑貨・ジュエリーなどを陳列し、MZ世代を惹きつけた。
スペインのファッションブランド「ZARA(ザラ)」の韓国ファッションブランド「アーダーエラー(ADER ERROR)」との2回目のコラボレーションコレクションを12月1~4日、聖水洞のベーシックスタジオで披露する。江南店に設けられた最初のポップアップストア開店当時、「オープンラン」と「品切れ大乱」を起こしており、2回目のコラボコレクションもやはり「ファッションが好きな人々」の間で話題になると予想される。
聖水洞が別名「ポップアップストア聖地」に急浮上したのはエンデミック転換以後だ。新型コロナウイルス感染以前にもおしゃれなカフェや小規模ライフスタイル店舗などで20~30代の間で名を馳せたが、エンデミックで距離を置く制限がなくなりオフラインショッピング需要が増え、MZ世代を狙ったポップアップストアが本格的に生まれ始めた。
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ことば MZ世代(Generation MZ)
1980年代半ばから1990年代初めにかけて生まれた「ミレニアル世代」と、それに続く1990年代後半から2010年ごろに生まれたのが「Z世代」。二つを合わせてMZ世代と呼ぶ。両者ともインターネットが普及した環境で育った「デジタルネイティブ」で、ソーシャルネットワークに積極参加するという特徴がある。
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