2025 年 7月 19日 (土)
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韓国AI企業、国防に本格参入…「戦場の自動化」が現実に

ChatGPT生成の画像(c)KOREA WAVE

韓国の人工知能(AI)企業が、閉鎖ネットワークや高リスク環境に対応できる技術力を武器に、国防分野への本格的な進出を始めている。民間で実証されたAI技術を通じて、戦場の自動化、判断支援、信頼性の検証へと迅速に転換する動きだ。

コナンテクノロジー(Konan Technology)、マキナラックス(MakinaRocks)、シュアソフトテック(SureSoftTech)といった産業特化型のAI企業が、最近、有人・無人複合システム、海上作戦環境、AI兵器の検証など国防分野全般で実証事例を確保している。各社は、閉鎖ネットワークでの運用やデータ可用性の低さといった軍特有の制約条件に正面から取り組む戦略をとっている。

◇コナンテクノロジー

コナンテクノロジーは、国防ICTプロジェクトに参加し、有人・無人複合システムに対応するAIエージェント技術を開発している。科学技術情報通信省と情報通信企画評価院が主管するこのプロジェクトは、2028年までに500億ウォン規模で進められ、LIGネクスワンが主導する大型国家プロジェクトだ。

今回の事業でコナンが担当する役割は、戦場状況において敵の脅威をリアルタイムで分析し、脅威のレベルに応じて作戦の優先順位を自動的に決定するエージェントの開発だ。成果物は、実際の戦闘シナリオに適用し、軍での運用可能性を検証することを目標としている。

同社はこの課題をきっかけに、民間で蓄積してきたAI技術を本格的に国防環境へ移転する。従来、監視・偵察システムや映像ベースの脅威探知などで、この10年間にわたり軍への適用事例を確保してきたが、外部への公開は制限されてきた。今回の実証を通じて、これまで積み重ねてきた技術力を公式に示し、軍への適用戦略も具体化する。

特に、コナンが構想する国防AI戦略は、脅威検知と指揮決断を支援する作戦型AI、ガバナンス基盤のプラットフォームによるセキュリティ制御、エージェント構造による情報分析の自動化で構成される。単一の技術ではなく、複数機能の組み合わせによって作戦効率を高める形式だ。

さらに、7月16日にはソウル・龍山の戦争記念館で「国防AIテックサミット2025」を主催し、過去10年間の国防プロジェクトの成果を外部に公開する。

コナン関係者は「1999年の創業以来、検索技術から始まり、音声・映像へと拡張してきた。監視・偵察など国防分野との接点も広げてきた」とし、「軍特有の制約された環境でも実戦運用可能なAIの構築に注力してきており、今こそその成果を見せる時だ」と語った。

コナンテクノロジーが7月16日に龍山区のロイヤルパークコンベンションセンターで「国防AIテックサミット2025」を開催する=コナンテクノロジー(c)KOREA WAVE

◇マキナラックス

マキナラックスは、閉鎖ネットワークを基盤とする産業で蓄積してきたAI技術力を土台に、軍特化型プラットフォームの開発と現場実証の可能性を高めている。2017年の創業以来、製造・エネルギー・半導体分野で実証された自社の技術を国防システムへ応用し、セキュリティ性と精度が求められる戦場環境に対応している。

実際、同社は7月10日、海軍第1艦隊司令部の招待で江原道で開催された「ファーストインサイト特別講演」で、自社技術の軍事応用戦略を発表した。当日の行事には海軍の主要指揮官や実務担当者100人余りが参加し、海上作戦環境に特化したAI構造と実戦適用の可能性について議論が交わされた。

講演では、製造業に導入されたAIエージェントの事例をもとに、国防環境における汎用AIの限界を技術的に分析し、代替案が提示された。特に、データ不足、ドメイン非公開、取得の遅れといった構造的な限界に関する経験が共有された。

講演後の質疑応答では、通信データ処理、判断精度、閉鎖ネットワークでの適用など、実戦運用に関する議論が集中した。マキナラックスは、海軍第1艦隊との間で、実際の課題連携の可能性についても後続の議論を開始している。

マキナラックス関係者は「軍が提示する条件は、当社が製造業進出初期に直面した問題と非常に似ている。現場中心の経験があるため、単なる技術移転ではなく構造的な解決策を提示できる」と述べた。

マキナラックス(c)KOREA WAVE

◇シュアソフトテック

シュアソフトテックは、防衛産業におけるAI信頼性検証の需要増加に対応し、自社開発の検証ソリューション「VERIFAI-M」を国内主要防衛産業プロジェクトに供給している。AI技術が兵器体系に本格的に導入される中、開発段階での信頼性と堅牢性の確保が不可欠な条件として浮上している。

今回のプロジェクトは、多目的無人車両、映像解析ドローン、作戦状況支援システムなど次世代AI基盤システムに適用された。モデルの機能や性能を実運用条件で事前試験する方式で進められ、入力値の変化に対するモデルの反応の一貫性やエラー発生の可能性を自動分析する機能が核心と評価されている。

シュアソフトテックのチェ・ギョンファ試験自動化研究所長は「防衛産業でAIを安全に活用するには、単なる精度だけでなく、信頼性と安定性まで立証されなければならない。蓄積された検証技術を基に、AI産業の責任ある拡散に貢献する」と述べた。

シュアソフトテックのペ・ヒョンソプ代表(c)KOREA WAVE

◇ファンジン

ファンジン(FUNZIN)もまた、電磁スペクトラム基盤のAI偵察システムと指揮決断支援システムを開発し、次世代のドローン戦への対応戦略を高度化している。加えて、自社開発の「KWM(キルウェブマッチング)」技術を中心に、さまざまな異種兵器体系と連動可能な戦場型AIシリーズを構築中だ。

同社は7月10日、電子戦特化型ドローンシステムにより国防相表彰を受賞した。該当技術は、敵の通信信号をリアルタイムで探知・分析・識別し、電磁スペクトラム作戦環境に応じてドローンの任務を自動的に割り当てる構造となっている。ファンジンは同日、防衛事業庁から「2025国防研究開発奨励金」奨励賞も受賞した。AI基盤の戦場適応型意思決定支援システム技術の実証成果が認められた結果だ。

ファンジンのキム・ドゥクファ代表は「今回の受賞は、技術的成果を超えて、我々が国防AI分野のパラダイムを変えていることの証拠だ。今後、ドローン、ロボット、電子戦など多様な異種兵器体系と連動可能なKWMシリーズ技術を通じて、国防研究開発(R&D)エコシステムの革新をリードしていく」と述べた。

(c)KOREA WAVE

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