韓国陸軍特殊戦司令部要員が使う旧型K-1A機関短銃を新たな銃器に変えるプロジェクトが、当初の「体系開発」から「国内購入」に転換する。軍事機密の流出によって事業が中断されてから約2年4カ月ぶりのことだ。
防衛事業庁によると、同庁機動事業部特殊戦事業チーム長主管の「特殊作戦用機関短銃1型」事業予備説明会がこのほど、防衛事業庁入札室で開かれた。今回は防衛産業業者を対象にし、特殊作戦用機関団銃銃器・照準鏡などに関する事業日程と予算規模などを含む事業計画について説明があったという。
同司令部は過去、米国のM3機関短銃を使用し、国内技術で開発したK-1Aを1981年に導入し、今年まで43年間運用している。しかし、K-1Aは銃器老朽化により正確さや耐久度が劣るうえに、照準鏡・ライトなども取り付けることができないため、現在韓国軍の作戦要求性能(ROC)に合わないという指摘がある。
これに対し、軍当局は司令部要員に優秀な個人用火器を支給しようと、2016年11月、「特殊作戦用機関短銃1型」事業を中期的に転換する必要がある事業と決め、競争入札を経て2020年6月、優先交渉の対象者としてタサン機工を選定した。ところが、それから1カ月も経たないうちタサン機工は、軍事機密流出の疑いで当時の軍事安保支援司令部(現・国軍防諜司令部)から家宅捜索を受けた。機密流出が事実と確認されたため、事業は2021年6月に中断された。
当時の捜査結果によると、タサン機工の元役員が2015~2020年に合同参謀会議などで取り扱われた、機関銃・狙撃銃関連ROCなどの軍事機密をタサン機工側に渡し、金品を受け取ったことが明らかになった。これを受け、防衛事業庁はタサン機工に対し、12カ月間、事業入札に参加できないようにする不正業者制裁を加えた。軍当局が「特殊作戦用機関短銃1型」事業を再開することを決めたのは、特戦司令部のK-1A機関短銃老朽化が深刻で、代替作業をこれ以上先送りできないと判断したためと見られる。
これを体系開発事業として進めてきた防衛事業庁は8月末、国内購入事業にその進行方式を転換した。事業が中断されている間、国内の防衛関連企業の技術が発展した点などがその背景にある。軍当局はこれまでK-1A代替目的で、「特殊作戦用機関短銃」「1型」と「2型」の2つの事業を同時に推進してきた。このうち導入数量は1型の方が多い。軍当局は、事業1型を通じて約1万6000丁の新たな機関短銃を導入する計画だという。
今回の特殊作戦用機関短銃1型事業には、小口径火器メーカーのSNTモチーフが参加するものと予想される。タサン機工が1型事業に再び参加しようとする場合、機密流出事件を理由に「ペナルティ」が適用されるとみられる。特殊作戦用機関短銃2型事業(購買事業)では、SNTモチーフの5.56㎜特殊作戦用機関短銃STC-16が今年4月に戦闘適合判定を受け、5月に防衛事業庁と供給契約を締結した。STC-16は12月中に正式名「K-13」で軍に納入される予定だ。
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