
ハンファエアロスペース、ハンファシステム、現代ロテム、韓国航空宇宙産業(KAI)など韓国の主要防衛企業は今月17~21日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催される中東・アフリカ最大の国際防衛産業展示会「IDEX 2025(国際防衛展示会)」に出展し、中東・アジア・アフリカ市場への輸出拡大に本格的に乗り出す。
2月10~20日には、韓国軍とUAE軍の合同訓練が現地で実施される。期間中、韓国軍はK2戦車やK9自走砲などの国産兵器の性能デモンストレーションを実施し、さらに揚陸艦「天子峰(チョンジャボン)」(LST-II、4900トン級)の公開イベントで、韓国製兵器の優秀性をアピールする。
中東・アフリカ地域は、韓国の防衛産業にとって新たな主要市場として浮上している。これまで韓国は、2022年にUAE、2023年にサウジアラビア、2024年にはイラクと次々に「天弓-II」(M-SAM2)の輸出契約を締結。さらに2022年にはエジプトにK9自走砲を輸出する契約を結んでいる。
昨年は、イラクと多用途機動ヘリ「スリオン」の輸出契約を締結し、韓国製ヘリコプターの輸出を成功させた。過去にUAEへ天弓ミサイルを輸出した後、周辺国への輸出が拡大したように、今回のスリオン輸出もイラク周辺国への展開が期待されている。
これらの国々は、韓国の防衛製品が「コストパフォーマンスに優れ、納品が迅速である」という点を高く評価しているとされる。また、地政学的な緊張の高まりが、韓国の防衛輸出拡大につながる要因となっている。
韓国の防衛企業は、今年に入り大規模な軍事力近代化プロジェクトを進めるサウジアラビアを訪問し、K-防衛産業の輸出を協議した。輸出規模は陸・海・空を含め、50億ドルに達すると予測されている。エジプトも地上装備やFA-50軽攻撃機への関心を示しているという。
また、韓国は防衛装備の輸出を共産圏国家とも協議し、アジア市場の拡大を本格化させている。政府とハンファエアロスペースは、軍近代化を進めるベトナム政府とK9自走砲の輸出交渉を進めている。これが実現すれば、韓国の防衛産業による初の共産圏国家への輸出事例となる。
ベトナムは南シナ海の領有権をめぐり中国と対立しており、地政学的な緊張が韓国の防衛輸出市場拡大の要因となる可能性が高いとみられる。
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