2025 年 8月 10日 (日)
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韓国軍、対北朝鮮拡声器の完全撤去を開始…緊張緩和へ一方的措置

2024年7月21日、京畿道坡州市の南北軍事境界線付近に設置された韓国軍の対北拡声器(c)news1

韓国国防省は8月4日、南北軍事境界線付近に設置されていた対北朝鮮向けの拡声器装置の撤去を開始したと明らかにした。6月に拡声器による放送を中止してから約2カ月ぶりの措置で、これは南北間の緊張を和らげるための実質的な対応だとしている。

国防省のイ・ギョンホ副報道官は定例記者会見で「放送中止の後続措置として国防省内で協議し、関係部門とも調整を進めてきた」と説明した。撤去作業は今週中に完了する予定だという。

今回の撤去は韓国側の自主的かつ先制的な措置であり、北朝鮮との事前協議はなかった。イ・ギョンホ副報道官は「固定式の拡声器はすべて撤去の対象であり、移動式については撤去方法が異なる可能性がある」と補足した。

合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長は「撤去は急な対応ではなく、軍事的観点から判断し遂行している」と強調した。また「北朝鮮側で一部、拡声器を整備する動きはあったが、撤去は確認されていない。われわれが先に動いた」と述べた。

韓国軍は6月11日午後2時、それまで1年以上にわたって続けてきた対北拡声器放送を中止した。この決定は、南北関係の信頼回復と朝鮮半島の平和を目指すというイ・ジェミョン(李在明)大統領の国民向け公約の一環だとされている。

韓国側の放送中止後、北朝鮮も韓国側へのノイズ放送を停止した。背景には2024年6月9日、北朝鮮が南側にごみ風船を飛ばしたことに対抗して、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が6年ぶりに対北放送を再開した経緯がある。これに対し、北朝鮮も即座に韓国に向けた拡声器放送を始め、軍事境界線周辺では南北間で拡声器による応酬が繰り広げられ、地元住民は騒音被害を訴えていた。

(c)news1

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