
韓国警察はムン・ジェイン(文在寅)元大統領の妻キム・ジョンスク(金正淑)氏の衣装購入費に、青瓦台(大統領府)の特別活動費(特活費)が使用された疑いについて捜査を進めるため、大統領記録館に対して強制捜査に踏み切った。
警察の発表によると、ソウル警察庁反腐敗捜査隊は今月10日、世宗市にある大統領記録館に押収捜索令状を提示し、押収対象物について協議したうえで家宅捜索を実施している。
警察は、ムン政権下の2017年から2022年までの間に、キム・ジョンスク氏が購入した衣装が80着以上にのぼると把握しており、その一部が特活費で支払われた疑いがあるとみている。キム・ジョンスク氏には強要、業務上横領、国庫損失教唆などの容疑がかけられている。
警察は昨年から、青瓦台で予算を担当していた総務秘書官室や、大統領夫人の業務を担っていた第2付属室の職員らを調べており、またキム・ジョンスク氏に衣装を販売したとされる衣類業者に関連する銀行口座も押収捜索の対象としている。
捜査の過程では、いわゆる「官封券」が使われた形跡も確認されたという。官封券とは、造幣公社が印刷した新札を韓国銀行に搬送する際、その正当性と未使用性を保証するために巻かれる帯封付きの現金を指し、一般の個人が取り扱うことはできないとされている。
検察は今年2月、キム・ジョンスク氏が外遊時に着用していたシャネルのジャケットなどに関する「海外観光出張」疑惑については「無嫌疑なし」と判断している。ただキム・ジョンスク氏の衣装代に特活費が使用されたかどうかという点については、警察の捜査と重複する部分があるとして、引き続き警察主導での捜査が継続されることになっている。
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