韓国語のコンテンツに韓国語字幕をつけて見る視聴者が増えている。字幕は外国映画・ドラマを見る時だけ使われると考えられてきたが、消音して赤ちゃんを寝かしつける時など、さまざまな場面で活用できるからだ。オンライン動画サービス(OTT)で見られる韓国語番組のほとんどに字幕機能がある。
特に若い視聴者は韓国語字幕サービスに肯定的だ。大学生のキム・ボムソクさん(25)は「出演者の滑舌が良くない場合、字幕のほうが感情移入できる」と話した。会社員のクァク・ヘインさん(28)も「地下鉄や騒音がひどいところで字幕をつけると、物語がすっと頭に入る」と話した。
韓国語字幕サービスはコンテンツを早く見てしまいたい利用者に有用だ。会社員のオ・イェリムさん(28)は「1.5倍速で見る時に字幕をつける。早く見ることで時間を節約したり他のコンテンツも見たりできる」と話した。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「韓国の芸能番組が字幕を多く使って面白くするのは日本の影響を受けている」と見ている。
◇クリエイターの意図も反映
ハングルの長所が字幕の効果を高めているという意見もある。大衆文化評論家のキム・ソンス氏は「ハングルは外国語よりスペースが小さくて済む。実際、外国より韓国の芸能、ドキュメンタリーのほうが字幕の活用頻度が高く、OTTではドラマにまで導入された」と解説した。
SBSテレビは今月からドラマの韓国語字幕サービスを始めており、「模範タクシー2」の再放送で字幕を付けている。障害者のための解説放送のほか、健常者向けに韓国語字幕サービスを提供したのはテレビでは初めてだ。
SBS関係者は「セリフの多いドラマで字幕を付けてほしいという視聴者の意見があった。字幕には肯定的な反応が多い」と話した。
一方、字幕が視聴者の自由な理解を妨害するという声もある。
評論家のチョン・ドクヒョン氏は「絵文字が書き手の感情を代弁するように、字幕にはクリエイターの意図が反映される。視聴者が字幕を多く見れば、それだけクリエイターの意図通りにコンテンツを受け入れることになる」と指摘する。
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