
韓国の完成車メーカー5社(現代自動車、起亜、韓国GM、KGモビリティ、ルノーコリア)の2025年5月の世界販売台数は68万9311台で、前年同月比0.3%増となった。2カ月連続の増加で、内需が減少した一方、海外市場の堅調な販売が全体を下支えした。
メーカー別の販売台数は、現代自動車(ジェネシスを含む)が35万1174台、起亜が26万9148台、韓国GMが5万29台、ルノーコリアが9860台、KGモビリティが9100台だった。このうち、ルノーコリア(47.6%増)、KGモビリティ(11.9%増)、起亜(1.7%増)は前年同月比で販売を伸ばしたが、現代自動車(1.7%減)と韓国GM(1.8%減)は減少した。
内需は前年同月比2.9%減の11万3139台で、今年2月から続いていたプラス成長に歯止めがかかった。2024年に11年ぶりの低水準(163万5000台)を記録した内需市場が2025年に回復すると期待されていたが、その見通しに水を差す形となった。
内需では、ルノーコリアを除く全社が前年同月比で販売減。特に韓国GMは新型車の投入がなく、販売台数が1408台と39.8%も落ち込んだ。KGモビリティは11.0%減の3560台、現代自動車は5.2%減の5万8966台、起亜は2.4%減の4万5003台だった。一方、ルノーコリアは中型SUV「グランコレオス」が3296台売れたことが奏功し、121.0%増の4202台を記録した。
車種別の販売では、起亜「ソレント」が7734台で最多。現代自動車「パリセード」(7682台)、「アバンテ」(6438台)、「サンタフェ」(4969台)、起亜「カーニバル」(6651台)と続いた。セダンのアバンテを除くと、SUVまたはミニバンが上位を占めた。
一方、海外市場の販売は0.9%増の57万5844台で、現代自動車を除く4社が前年同月比で増加した。最も伸び率が高かったのはKGモビリティで、オーストラリア、ハンガリー、トルコなどでの新車販売が牽引し、34.2%増の5540台を記録した。
ルノーコリアも「グランコレオス」の初輸出が中南米や中東13カ国に向けて始まったことで、18.4%増の5658台となった。起亜は2.6%増の22万3817台、韓国GMは0.1%増の4万8621台だった。
現代自動車だけは0.9%減の29万2208台。現代の関係者は、地政学的リスクの拡大などにより厳しい経営環境が続くとし、「ハイブリッド車の販売量を維持しつつ、次世代モデルの投入で拡販を図る」としている。
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