2024 年 5月 23日 (木)
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韓国現地の有力カーナビ「Tマップ」はいかにして業界1位になったのか

SKテレコムナビゲーションの初期モデルである「エントラック」テレビ広告(c)news1

韓国の大型プラットフォーム会社であるネイバー、カカオが敵わない市場がある。カーナビだ。国内でスマートフォンでナビゲーションを利用する人の74%はTマップを使う。

Tマップの始まりはSKテレコムが作ったナビゲーションサービス「エントラック」だ。移動通信会社のうち、SKテレコムが一番先にサービスを開始したおかげで、市場を占有することができた。2002年のフィーチャーフォン時代からサービスを提供してきた。カーナビ専用の携帯電話も販売した。

序盤の利用者は多くなかった。SKテレコム料金制を使わないとサービス利用ができないが、当時のインターネット使用料金は今とは違って高かった。小さなフィーチャーフォン画面でナビゲーションを見るのも不便だった。大半はカーナビ専用の機器を買って使った。

スマートフォンの普及で、雰囲気が逆転した。スマートフォン時代になったおかげで、Tマップは急激に成長した。Tマップを使うために通信会社を変えることができないという人も多かった。

ユーザーの裾野を広げようと、2011年からは追加料金で、他の通信会社の加入者もサービスを利用できるようにした。2016年以降はすべての通信会社で無料で利用できる。モビリティ市場は急速に成長しており、市場の先取りが重要だった。Tマップは2021年、Tマップモビリティという別法人を設立し、SKテレコム系列から分離した。名前も「Tmap」から「TMAP」に変えた。

データ無制限料金制が一般化し、Tマップはさらに急成長した。Tマップを皆が無料で利用できるようにしたSKテレコムの戦略は的中した。人々が集まるとデータが蓄積され、多くのデータは他社に比べて質の良い交通情報を提供できるようにした。

利用者が多いため、渋滞区間と所要時間が他のナビゲーションに比べて正確だという評価が出ている。利用者が少ない他社のカーナビは、到着時間をかなり長めに設定するという。現在、他社のナビゲーションの精度がかなり上がっているが、Tマップの利用者があえて他のナビゲーションを使用しようとする魅力はほとんどない。

運転点数サービスもTマップが顧客を引き付ける要因の一つだ。

Tマップはナビゲーションモードでドライバーの速度を分析して点数をつける。速度関連の危険事項を発見する度に一定の点数を減点し、減点後に違反事項なしに一定距離を移動すれば点数が上がる方式だ。

このように累積された点数は、自動車保険加入時に特約として適用され、一定点数以上の場合、割引を受けることができる。それまで納付していた保険料も払い戻しする。Tマップは、情報非対称性が大きい保険市場で、リーズナブルな保険料を算定するのに役立っている。

(c)news1

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